英タイムズはこのほど、「中国の子どもたちはどのようにしてピアノ練習の戦いに勝利したのか」とする記事を掲載した。
中国メディアの環球時報が要約して伝えたところよると、古いピアノを売るのに苦労したり、無料で譲らざるを得なくなったりした人は、それを中国の中間所得層のせいにするかもしれない。
中国ではかつて、ピアノを習うことが社会的地位の上昇の象徴だったが、近年では子どもたちが続々とそれをやめるようになっている。世界経済の他の多くの分野と同様にピアノ市場の最大のけん引役だった中国の嗜好の変化は世界的な影響を及ぼし、ピアノの生産と販売は長年続いた好況を経て減少した。
19世紀に始まった中国のピアノ製造産業が世界に挑戦するようになったのは1970年代後半になってからで、中国の親たちはラン・ランのようなスーパースターに刺激を受けた。ピアノ製造産業は中国南部の広東省に根付き、いくつかの企業が世界有数のピアノ製造業者に数えられるようになった。中国のピアノ市場規模は、2019年には米国の10倍以上に相当する年間40万台だった。しかし今や、状況は大きく異なっている。
20年前に中国を訪れた外国人は、子どもに何歳から放課後の習い事を始めさせたのかと尋ねられて驚くことがよくあった。当時の中国の親たちは、中流家庭ならそうするものと考えていた。しかし、競争に執着する中国の親たちが子どもたちを苦しい立場に置いたため、放課後の習い事の一部は当局によって中止させられた。音楽のレッスンはその中に含まれていない。