2025年11月11日、中国メディアの封面新聞は、ドラマ「繁花」のウォン・カーウァイ(王家衛)監督や脚本担当の秦雯(チン・ウェン)を含む製作スタッフの音声テープ流出騒動が、上海市の公安当局を巻き込んだ事態にまで拡大していることを伝えた。

記事によると、10月31日にSNSで流出した当該音声データの中に、秦雯の声で「以前警官を攻撃して連行された時に、人脈を使って外部から圧力をかけ、事情聴取を免れようとしたことがある」との内容のものがあった。

連行されたのは上海黄浦公安分局瑞金二路派出所だったという。

これを受けて、上海市の警察当局は11日に当該案件の詳細について声明を発表し、「19年3月29日19時30分ごろ、秦氏は同行人の女性・許さんと上海市内の歩道を自転車で走行したため、違反とされ当局警官の取り締まりを受けた。2人が警官に取り締まりへの異議を申し立てた時、秦氏が警官を後ろから軽くたたいたことから、警官は2人を派出所へ連行した。

派出所での取り調べで2人は違反を認めたが、秦氏の警官に対する襲撃は比較的軽いものだったため、当局は交通違反以外での処罰はしなかった。秦氏は取り調べの途中、夫で映画監督の王光利(ワン・グアンリー)氏に電話で助けを求め、王氏の友人のコネクションで警察に働きかけることができないかと探ったようだが、全員に断られていた。公安局の監督部門、法制部門や司法局の厳正なる審査では、当該案件の処理過程に違法な点や不適切な点は全くなかった」と説明した。

秦氏は当該案件と音声データの内容について「あの内容は20年に友人とお酒を飲みながらおしゃべりした時のもので、『撈人(外部からの圧力で警察に拘束された友人や親族を助けるという意味)』は単なる冗談で、人脈自慢をしただけだ」と述べた。(翻訳・編集/原邦之)

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