広東省や香港で定番のスープタイプのスイーツ「楊枝甘露(ヨンジーガムロ)」を手で持って食べることができるスタイルにしたスイーツが中国で話題を集めている。このスイーツは、半分に切ったマンゴーの上に水切りヨーグルトをたっぷりのせて、そこにブンタンやタピオカ、ポッピングボバなどをトッピングして作られる。

中国ではサンザシなどを飴がけにした伝統菓子「糖葫蘆(タンフールー)」に「奶皮子(ナイピーズ、牛乳を加熱してできる表面の膜)」を組み合わせた「ナイピーズ・タンフールー」が人気を集めているが、今度は「手で持って食べるヨンジーガムロ」がブレークしている。多くのブランドや事業者が流行に乗じているほか、一部のプラットフォームやショップではマンゴーの売り切れや高騰が生じている。

そして流行に乗じたスイーツショップやベーカリーショップには長蛇の列ができている。購入するためには30分ほど並ばなければならず、1日に200個売れているスイーツショップもある。さらに、事前に予約が必要になっているショップもあるほどだ。

「黄油年糕(バター餅)」やコーンエッグタルト、ナイピーズ・タンフールー、そして今回の「手で持って食べるヨンジーガムロ」に至るまで、ここ数年、ネットで人気となっているグルメをチェックしてみると「色鮮やかで写真映えする」「材料が簡単で作りやすい」といった共通点があることに気付くかもしれない。これらは従来からの材料を使い、少し手を加え、斬新な組み合わせやビジュアルにすることで注目を集めている。

こうしたネット上で人気となるグルメは、その「発明」が最初の一歩となる。ソーシャルメディア時代の現在、ネット上で人気となっているグルメを食べるために人気ショップに行くというのは、多くの人にとってすでに「恒例行事」になっている。そして、ソーシャルメディアにそれをアップする人が増えれば増えるほど、より多くの業界関係者が参入し、ブームを商業化させていく。そのため、グルメが人気となる場合、まず誰かがユニークなグルメを作り出し、それをソーシャルメディアで紹介して広め、最後にブランドと事業者がそれを大々的に宣伝するというパターンが最も多い。

同時にこうした人気グルメの登場から時を置かずして、食べ過ぎて「体調を崩した」といったような書き込みが投稿される点も注目に値する。

ネットで人気となっているグルメは「一発屋」であるケースが多いため、「手で持って食べるヨンジーガムロ」の人気もどれほど続くかは不明だ。入れ替わりが激しい一方で、それを追いかけ続ける人は常にいるからだ。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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