中国中南部にある湖南省保靖酉水国家湿地公園の科学研究チームはこのほど、定期モニタリング中に、酉水河峡谷の景勝地帯で植物界の「珍客」と出会いました。国際自然保護連合の「IUCN絶滅危惧種レッドリスト」に登録されている絶滅危惧種「紅頭索(Lysimachia liui Chien)」です。

湖南省でこの種が記録されたのは今回が初めてで、保靖酉水湿地に「定着」していることが確認されました。

紅頭索はサクラソウ科オカトラノオ属の多年草です。葉は対生しており、葉の表側は濃い緑色、裏側は薄い緑色で、やや密に毛で覆われ、形態的特徴が極めて識別しやすい植物です。生育に必要な生態環境条件は厳しく、適度な湿度、肥沃(ひよく)な土壌、人為的な干渉が少ない渓谷や渓流沿い、あるいは林の下の陰湿な場所を好みます。

記録によると、同種の植物はこれまで、中国西部の四川省峨眉山にのみ分布しており、野生種の数は極めて少なく、「中国植物レッドデータブック」で最高レベルの絶滅危機種(CR)に分類されています。今回湖南省で発見されたことにより、同省内での分布域の空白を埋めただけでなく、酉水地域の生態環境が原始的かつ完全であることを裏づける結果となりました。

保靖酉水国家湿地公園の科学研究チームはここ数年、コウライアイサやコジャコウネコなど中国国家1級保護動物だけでなく、金毛狗(タカワラビ)、閩楠(Phoebe bournei)など8種の国家2級保護植物も発見しました。(提供/CRI)

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