2025年11月29日、中国中央テレビ(CCTV)がこのほど摘発された偽造粉ミルクの製造・販売事件の全貌を報じる番組を放送し、中国のSNS上で「今になってもミルクの問題が解決していないのか」という声が寄せられた。
CCTVの番組によると、摘発されたのは、ECプラットフォーム上で「黒竜江省黒河口岸(通関地)から発送する輸入粉ミルク」などと称して販売されていた粉ミルク製品で、実際には河南省中牟県にある賃貸住宅の一室で製造され、全国各地に出荷されていた。
同県公安局の食品薬品・環境犯罪偵察チームが昨年8月、日常的な捜査の中で郊外の倉庫から連日ミルクのにおいが漂ってくることに気づき、捜査を開始したところ、偽造粉ミルク製造拠点の特定に成功。現場にいた容疑者12人を現行犯逮捕するとともに、大量の偽造粉ミルクや包装材料、設備などを押収した。
偽造粉ミルクの成分を調べたところ、90%以上が炭水化物のマルトデキストリンで、植物性脂肪を加工した「クリーミングパウダー」が少し混合されていた。直接的な有害成分は含まれていなかったようだが、乳幼児が必要とする十分な栄養成分はほとんど含まれていなかった。経営者は「人体に害はない」と認識していた一方で、「いつか人命に関わる事態になるのではないか」との懸念もあったと供述しているという。
報道によると、この業者は650万元(約1億4000万円)相当の偽造粉ミルクを製造・販売していた。同県人民法院は7月10日に主犯格3人に対して懲役15年の実刑判決と罰金刑を言い渡した。逮捕、起訴された従事者十数人についても今後裁判が行われるという。
この件について、中国のネットユーザーはさまざまな意見を書き込んでいる。あるユーザーは、ロシアとの良好な関係を背景に「ロシア産」が偽造の標的になっていると指摘した。このほか、「以前には毒ミルク事件があって、今はデンプン粉がミルクに偽装されている。こういう経営者には心というものがないのか」「まさか粉ミルク問題の陰影が消え去っておらず、同じようなことをするやからが再び出てくるとは」「2~4元(約50~90円)のコストで10倍以上の利益を得るため、全国の高齢者や子どもを陥れている。











