2026年5月21日、台湾メディア・自由時報は、日本の半導体産業が衰退した歴史的教訓を振り返り、現在の台湾が同様の道をたどるリスクと独自の優位性について報じた。
記事は、1990年当時に日本の半導体が世界シェアの49%を占め、日本企業がDRAMメモリー市場で世界シェアの過半数を握っていたと紹介。
その上で、風向きが変わったトピックとして1986年の日米半導体協定に言及。協定によって日本国内での外国製チップのシェア20%確保と日本製チップの輸出価格制限が課されたとした。また、85年のプラザ合意によって円高が進んだこともあり、日本の輸出製品の価格競争力が低下したと論じた。
さらに、韓国のサムスン電子などの韓国企業が、低価格戦略と米国による0.74%という低い関税率の容認を背景にDRAM市場を掌握するようになり、日本の半導体シェアは2020年に6%まで低下するに至ったことを紹介している。
このほか、米国企業がCPU設計やエコシステム構築にシフトする中、DRAMにリソースを集中しすぎた日本はCPUやエコシステムへの転換に遅れたとも分析した。
記事は、台湾では1987年に設立された台湾積体電路製造(TSMC)が、自社ブランドを持たず顧客と競争しない受託製造のモデルを確立したと紹介。人工知能(AI)時代の到来により、半導体設計大手のAMDやクアルコムなどの国際企業がTSMCの最先端プロセスに高度に依存するようになったと伝えた。
一方、米国ではOpenAIやマイクロソフトなどの巨大IT企業が、AIモデルやデータ、クラウドプラットフォームを掌握しているほか、米国政府がチップ法を推進し、自国内の半導体産業に多額の補助金を投入していると指摘。米国の動きが台湾にとってかつての日本が受けたのと同様な脅威になる可能性を示した。
そして、TSMCの魏哲家(ウェイ・ジャージャー)会長が昨年の講演で「もしTSMCがなければ2026年以降にすべての自動運転技術が姿を消してしまう」と述べ、30年以上の蓄積と人材の優位性を持つ台湾の半導体が日本の二の舞になることはあり得ないとの見解を示したことを紹介している。(編集・翻訳/川尻)











