中国の情報/ポータルサイトの新浪財経はこのほど、「ロシアはなぜイノベーションでウクライナに敗れたのか」と題する論説を掲載した。状況の推移からは、経済を発展させるために欠かせない「条件」も見えてくるという。
戦争の初期には戦車、大砲、ミサイル、航空機が猛威を振るい、多くの人が「第2次世界大戦レベルにとどまる戦争だ」と嘲笑したものだった。しかし現在では、無人機が戦場の主役だ。その製造コストは低廉で、正確な攻撃や長距離の襲撃が可能であり、しかも防御が極めて難しい。ミサイル1発の製造コストは数十万ドル(50万ドル=約8000万円)だが、無人機ならば1機当たり数千ドル(5000ドル=約80万円)で済む。また、従来型の戦車による突撃は無人機の攻勢の前ではすでにさほどの威力がない。
さらに予想外だったのは、ウクライナが無人機の能力において、ロシアを超えたことだ。ウクライナは2024年に220万機の無人機を生産し、20年には400万機を生産した。今年には700-800万機を生産する計画だ。ロシアは24年、無人機を140万機しか生産できなかった。これはプーチン大統領による説明だ。25年については不明だが、今年5月の報道では、ロシアの無人機の日産数は1000機を突破した。つまり、今年のロシアは通算で400万機前後の無人機を生産する見込みがある。
ウクライナはさらに、ロシアの無人機による襲撃に対する迎撃にますます熟練した。米国とイランの戦争が勃発した後に、アラブ諸国は皆ウクライナに無人機の迎撃方法を学ばねばならなかった。そしてウクライナの無人機による攻撃に対してロシアの迎撃効率は極めて低い。ロシアの軍事ブロガーでさえ、ウクライナは無人機においてすでにロシアを超えたとの考えを示した。
トランプ大統領が就任した際には、米国がウクライナへの支持を減らすので、ウクライナは持ちこたえられないかもしれないと考える人が多かった。しかし現在の戦場の態勢は双方が膠着状態に陥っており、ウクライナは時折失地を回復している。ウクライナがこのような状態に持ち込めたのは、主に無人機のおかげだ。ウクライナの無人機によるロシア軍の後方への打撃が、ロシア軍が大規模な攻勢を取ることを難しくした。
戦争勃発前、ロシアとウクライナの無人機技術、備蓄、生産能力は、いずれもほぼゼロからのスタートだった。本来なら、ロシアはウクライナより資金があり、資源がより豊富で、科学技術人材もより多い。どの面においてもウクライナの数倍、十数倍、あるいは数十倍だ。
最も重要な原因は、ウクライナが世界的な分業体制の中にいるのに対し、ロシアはそうではないことだ。現状で、ロシアと友好的な少数の国を除き、圧倒的多数の国はウクライナに対して市場を開放している。ウクライナは世界市場で無人機の部品、生産ライン、技術などを調達できる。ウクライナ自身はそれほど高い研究開発能力を必要とせず、ただ戦場の需要に基づいて、世界市場で相応の材料を調達して製造すればよい。この状況は、世界中の研究開発能力をウクライナが利用できることに等しい。
ウクライナはある大国(中国を指す)からブラシレスモーター、リチウムポリマー電池、フライトコントロールチップ、カメラモジュールなど、無人機の80%以上の主要部品を調達している。ドイツからはピストンエンジンと一部のフライトコントロールを調達し、スペインから衛星ナビゲーション受信機を調達し、イタリアから動力および通信モジュールを調達し、トルコからナビゲーションモジュールを調達し、イスラエルからセルラー通信およびデータリンクコンポーネントを調達し、さらに米国と韓国から大量に組み立て済みの現物を調達している。ポーランド、チェコ、オランダ、ラトビア、英国、デンマークなどは、いずれもウクライナの無人機サプライチェーンの一部だ。
しかしロシアは広範な制裁を受けており、世界規模での調達が不可能だ。一部の国が部品や技術などの面でロシアを支援することはあるが、「世界を相手に調達できるウクライナ」と比べれば、取るに足らない。
ウクライナのロシアに対する戦いぶりは、いかなる場合も世界的な分業体制から離脱してはならないことを説明している。
また、今後のロシアとウクライナの戦争の行方を予測するならば、戦う時間が長ければ長いほど、世界的な分業体制の中にいるウクライナが有利になるはずだ。このことは、他のすべての国の人々への警鐘でもある。競争力を失いたくなかったら、貿易での協力を多く行い、争いは少なくせねばならない。(翻訳・編集/如月隼人)











