2026年6月7日、中国メディアの第一財経は、日本の中産階級が賃金停滞や少子高齢化、円安による輸入インフレなどの構造的圧力で二極化し、社会が空洞化する危機にあると報じた。

記事は、浙江現代数字金融科技研究院の周子衡(ジョウ・ズーホン)理事長による日本経済に対する評論を紹介している。

周氏は、かつて経済の奇跡を謳歌した日本が長期停滞に転じ、現在は実質賃金の伸び悩みや人口高齢化、通貨安、労働市場の二極化といった多重の圧力に直面していると指摘。1997年に平均年収が約467万円でピークに達した後、名目賃金は微増したものの物価上昇に打ち消され、実質賃金の改善が限定的であると述べた。

また、90年代前半のバブル崩壊後、コスト抑制策として非正規雇用が急増し、2024~25年にはその割合が約37%に達して労働市場が二層構造化した一方、企業の内部留保が24年度に637兆円と過去最高を更新したと指摘。非正規労働者の増加によって労働組合が縮小し、労働者の交渉力が弱まるとともに所得格差が拡大して、消費低迷を招いていると分析した。

さらに、1990年に約5対1だった現役世代と引退世代の比率が2025年には約2対1まで低下し、世界最高水準の高齢者比率が社会保障負担を押し上げていることにも言及。消費税や社会保険料の上昇が若い労働者の可処分所得を圧迫し、「若者から高齢者へ」という世代間の富の移転が起きているとした。

このほか、25年の合計特殊出生率が1.14まで低下し出生数が過去最低を記録したことで、少子化が成長潜在力を制限する悪循環も形成されていると論じた。

周氏は、円相場が1ドル=160円前後となる中で、輸入コストの急騰が「見えない増税」として中産階級の生活コストを増大させ実質的な購買力を蝕んでいるとも指摘。観光主導型経済についても、25年の訪日外国人客数が過去最多の4270万人に達したものの、その利益は低賃金のサービス職に偏り、地元住民にとっては物価高騰の引き金になるなどデメリットが露呈しているとした。

また、硬直化した階層構造や長時間労働といった企業文化が生産性の低迷を招き、イノベーションを阻んでいるとも説明。最後に、抜本的な賃金保護や生産性向上、労働市場の一体化などの改革がなければ中産階級の繁栄再建は困難であるとの見解を示した。(編集・翻訳/川尻)

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