2026年中国国際サービス貿易交易会(CIFTIS)が9月9日~13日、北京・首鋼園で開催されています。日本の製薬大手・武田薬品工業は今回CIFTISに初出展し、革新的な医薬品や技術の中国市場における展開実績、研究開発パイプラインの最新動向、デジタルヘルス分野の取り組みを一挙に披露しました。

中でも注目を集めたのが、同社が独自開発し、中国で世界初の承認を取得した新薬「オベポレクストン」の、承認後初となる一般公開です。

「オベポレクストン」は、日中に過度な眠気を感じたり、突然眠ってしまったりする神経疾患「ナルコレプシー」のうち、「1型ナルコレプシー」の治療薬です。ナルコレプシーは中国で約70万人が罹患(りかん)しており、うち「1型」が75~80%を占めると推定されています。

武田薬品は今年1月、中国で同薬の承認申請を行い、7月に当局の承認を取得しました。中国は同薬を世界で初めて承認した国となり、新薬承認をめぐる旧来の「欧米で先行承認、中国は後追い」という構図を覆した点でも話題となりました。

オベポレクストンは覚醒に関わる脳内物質「オレキシン」の受容体に作用し、1型ナルコレプシーの原因となるオレキシンの欠乏に対処するよう設計されており、これまでの「対症療法中心の治療」から、「発症メカニズムそのものに働きかける治療」へと転換につながる点でも、画期的な治療薬として注目を集めています。

武田薬品がCIFTISに初出展 世界初承認の新薬で中国市場に注力

今回のCIFTISで、武田薬品は腫瘍、消化器・炎症性疾患、希少疾患、血漿分画製剤、神経科学の5大領域を対象に、革新的な製品と先進的な治療ソリューションを一堂に展示しています。

同社の中国法人「武田中国」の総裁を務める劉燕博士はメディアに対し、「CIFTISは、中国のハイレベルな対外開放を推進し、サービス貿易の協力を促進する重要なプラットフォームである。同時に、医療ヘルスケア分野における交流の強化と協力の拡大に向けた重要な契機でもある」と表明し、イノベーションの実践例や世界各国で培った知見を共有し、患者のベネフィット向上とヘルスケア産業の質の高い発展に向け、新たな可能性を探求していきたいとの考えを示しました。

今回のCIFTISで武田中国は、中国の希少疾患患者支援や政策推進などに取り組むNGO「蔻德罕见病中心(CORD)」と提携し、「2026年中国における1型ナルコレプシー患者の疾病負担と生活の質に関する調査プロジェクト」を始動すると発表しました。

武田薬品がCIFTISに初出展 世界初承認の新薬で中国市場に注力

このプロジェクトは、医薬品の実際の使用状況や患者の生活実態から得られるデータを活用してリアルワールドエビデンスを蓄積し、疾患への理解を深めるとともに、標準的な診療の普及や、発症から治療・管理までを通じた医療の質の向上を目指すものです。

武田薬品は1994年に中国市場に参入して以来、新薬の開発、製造、安定供給、そして商業化運営に至るまで、医薬品バリューチェーンの包括的な構築を中国国内で実現してきました。

2020年から2025年にかけて、武田中国が市場に投入した新薬は15品目を超え、1000万人余りの患者に治療の機会を提供してきました。中国は同社のグローバル戦略における最重要市場の一つと位置付けられているということです。(提供/CGTN Japanese)

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