中国メディアの浙江新聞はこのほど、2025年に他界した香港人俳優の許紹雄(ホイ・シウホン)さんの肖像写真が、今も広告で使われている話題を紹介した。ファンの間からは疑問の声が出ているという。

ホイさんは1970年代ごろから多くの映画やテレビに出演し、名脇役として親しまれる俳優だった。2014年にテレビドラマの「使徒行者」で演じた覃歓喜も当たり役で、圧倒的な存在感を示した。ホイさんは劇中で「歓喜哥(歓喜兄貴)」と呼ばれたことから、実生活でも「歓喜哥」と呼ばれるようになった。しかし腎臓がんを患い、2025年10月28日に家族に見守られながら死去した。76歳だった。

最近になり、調味料メーカーのA社がホイさんの肖像を今も、多くの電子通販(EC)サイトで使っていることが話題になり「亡くなったのに、まだイメージキャラクターとして使われているのか」と疑問の声が上がった。ECサイトを確認したところ、A社は多くの商品の紹介でホイさんの肖像を使っており「イメージキャラクター」とも明記していた。

ただし、ホイさんの肖像の使用が注目されるようになると、肖像がアニメのキャラクターのものに置き換えられるようになった。A社の顧客対応の担当者は同件について「専門の担当者が処理している」と説明した。また、A社に再度問い合わせたところ、対応した職員はホイさんと以前に結んだ契約は「来年(2027年)10月に満了する」として、「新たなイメージキャラクターについては交渉中」と説明した。職員はまた、ホイさんの肖像の差し替えを行っていることも認めた。

ネットで物議、1年前に死去の俳優ホイ・シウホンさんの姿をCMで使用―中国メディア

類似の状況はこれまでにも発生したことがある。

2025年に台湾の俳優の大S(徐熙媛)が死去したが、1年後、彼女が生前にイメージキャラクターを務めた広告が依然として配信されているのが発見された。この件については「温かい記念だ。彼女の美しい姿をこの世に残すものだ」「これは死者の話題性を利用して利益を得るものだ」など、さまざまな意見が表明された。
ネットで物議、1年前に死去の俳優ホイ・シウホンさんの姿をCMで使用―中国メディア
大S(徐熙媛)

中国大陸では法律で、広告出演者が死去した場合の扱いが明確に定められている。民法典第994条に、「死者の氏名、肖像、名誉、栄誉、プライバシーなどの人格的利益は法律の保護を受け、その近親者は法に従ってこれらの権益を維持する権利を有し、またこれらの権益の使用方法を決定する権利も有する」と明記されているからだ。

ビジネス上の契約は「一身専属性」の原則に基づいており、特別な取り決めがない場合、芸能人が死去すると契約は自動的に終了する。ただし契約に、「(広告を出した会社側は)死亡後、撮影済みの素材を契約満了まで引き続き使用できる」などと明記されていて、かつ家族の同意を得ている場合には、故人の肖像などを引き続き使用できる。

この民法典の定めの狙いは死者の権益を保護するものであり、広告出演者が死去した場合に、肖像などの使用継続を機械的に禁止するものではない。遺族の考えを最大限に尊重することを前提に、広告を出す企業側の権利行使に一定の基準を設けるものだ。(翻訳・編集/如月隼人)

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