中国メディアの環球時報は15日、「中国の自動車メーカーはいかにして欧州の競合他社を打ち負かすのか」とするフランスの自動車関連メディア、Caradisiacの記事を紹介した。

記事は「超低価格、最先端技術、そして秘密の戦略。

中国の電気自動車(EV)メーカーやブランドが欧州の老舗の目の前でいかにフランス市場を掌握しているかを探る」とした。

そして「自動車業界は歴史的な転換期を迎えている」と指摘。「2000年代には信頼性や安全性の問題で長らく批判されてきた中国のメーカーやブランドが、今や欧州市場に力強く参入している。BYD、XPeng、MGといったメーカーやブランドはもはや隠れることなく、一度に数千台の車両を輸送できる巨大なRORO船を携えて登場し、フランスや欧州の自動車愛好家を魅了しようとしている」と伝えた。

記事によると、この急速な変化は、35年までに欧州で内燃機関搭載車の新車販売を禁止するという重大な政治的決定によって説明できるという。この措置は、長年この変化を予見していた中国の自動車産業に好機をもたらした。トレンドや消費習慣を研究するセテレムのディレクター、フラビアン・ヌビー氏は「EVシフトは世界市場を完全に再構築した。中国企業は電気バッテリーの分野で非常に優れた真のスペシャリストとなり、これまで欧州企業を守ってきた技術的障壁を取り除いた」と語る。

記事は、中国車の強みについて「積極的な価格設定」を挙げ、「これは、中国の強大な生産チェーンに基づいている」とし、BYDフランスのマネージングディレクター、ドロテ・ボナシー氏の話として「BYDの他のどのメーカーとも異なる特徴が垂直統合だ。われわれはAからZまで全てを自社で行っている。バッテリーの原材料から組み立て、そして物流に至るまで、この自主性によって生産コストを大幅に削減することが可能になっている」と伝えた。

中国の自動車メーカーはいかにして欧州の競合他社を打ち負かすのか―仏メディア

記事によると、中国資本のブランドであるMGは、フランスで価格が手頃な代替車として位置づけられ、広範な販売網に支えられ、好調な業績を上げている。

記事は「中国メーカーの攻勢は、価格だけでなく、ソフトウエアと顧客体験を中心とした自動車コンセプトの再設計に大きく依存している。中国メーカーは、パノラマスクリーンや高度な音声コマンド、定期的な無線アップデートなどを備えた、真に接続された空間として車内を設計している。このソフトウエアの熟練度は、組み込み技術とインフォテインメントシステムの流動性にますます敏感になっている現代の顧客にとって特に魅力的だ」と指摘。XPengの電動クーペSUV「G6」のオーナーであるベルトラン氏の話として「同等のモデルであれば、充電速度が遅く、電費が悪く、技術面で明らかに後れを取っている欧州車を選ぶ理由はない」と伝えた。

記事によると、古い電子アーキテクチャに制約されることもある欧州の老舗メーカーは、重要なセールスポイントとなっているこのデジタル化に対抗するために努力を倍増させる必要がある。中国メーカーは、優位性を持続させ、消費者の疑念を払拭するため、アフターサービスの重要性も理解している。中国メーカーの多くは、実店舗の販売ネットワークを急展開したり、フランスの大手自動車販売グループと提携したりしている。BYDは市場で影響力を拡大しつつあり、Chery、Geely、Zeekrなど多くのメーカーやブランドがすでに欧州とフランスの市場に参入したか、参入を検討している。現地拠点は購入者に確かな安心感を与えるものであり、欧州市場で長期的に地位を確立しようとする姿勢を示している。

記事は「欧州連合(EU)もこの中国勢の猛攻を傍観しているわけではない」とし、EUが中国から輸入するEVに追加関税を課したことや、フランスが欧州以外で製造されたモデルに対する優遇措置を取り消したことに触れ、「しかし中国メーカーは、こうした障害への対応において、驚くべき産業的・戦略的な機敏さを示した。わずか数カ月で、これらの追加関税が一切課されないハイブリッド車やプラグインハイブリッド車へとシフトした」と指摘。MGフランスのジュリアン・ロベール氏の話として「ハイブリッド車こそ、われわれにとって今の時代の解決策だ」と伝えた。

記事はまた、BYDやCheryが欧州に自社工場や研究施設を建設し、フランスで人気の高いBセグメントのシティカーを設計していることや、BYDが欧州に3000基の超高速充電器の設置を計画していることに触れ、「フランス国内でルノーとプジョーが占めるトップ3の地位にはまだ及ばないものの、その進歩は市場バランスに影響を与えるほど大きなものとなっている」と伝えた。

記事は「欧州ではEVへの急速な移行が求められている。中国メーカーの躍進は単なる流行ではなく、自動車業界の状況を深く永続的に変革するものだ。中国の新興巨大企業の技術的優位性は非常に大きい。欧州の多くの老舗メーカーはその差を埋めるため提携を結んでいる。欧州メーカーにはもはや選択肢はほとんどない。なぜなら電動化で後れを取っているからだ」と伝えた。(翻訳・編集/柳川)

編集部おすすめ