The 1975の傑作ニューアルバム、『ネット上の人間関係についての簡単な調査』の背景に迫る

バンドの知名度が上がる一方、ヒーリーは鎮静剤や抗不安薬などに溺れていった。2017年の夏には、ヒーリーは日常的にヘロインを吸うようになっていた。「べつにそこまでパーティーに明け暮れていたわけじゃない」とヒーリーは言う。「1万人とつながることとホテルの部屋でひとりきりになることの極端さが問題だったんだ。大勢の人々の承認と本物の孤独。ドラッグがあるとそれに対処しやすかった」

ヒーリーはため息をついた。「自分でもよくわからない。でも、頭はいつも回転してた。頭の良し悪しはさておき、ただ回転の速度だけは速かった」

ニューアルバム『ネット上の人間関係についての簡単な調査』の制作に向けて、手遅れになる前に数々の習慣と手を切らなくてはいけないことにヒーリーは気づいた。新しいアルバムに取り組みはじめるとすぐに、ヒーリーはカリブ海のバルバドスにあるリハビリ施設に入り、6週間におよぶ集中的な認知行動療法を受けた。

訓練された馬を使うセラピーをはじめ、そこでの時間はヒーリーに自らの人生について考える機会——それはぜひとも必要なものだった——を与えてくれた。「おれはひとりだった。もちろん、医師や看護師はいたけど、ほとんどは宮殿みたいなベッドルームでひとりきりだった。たくさん本を読んだし、いろんなことについて考えた」

それでも、クリーンになるための現実をあえて控えめに表現したりもしない。「身体的にはきつい。とくに[ベンゾジアピン系抗不安薬]を絶つのは大変だった」ヒーリーは続けた。「ほんとうにつらいんだ。施設に入った最初の週は『泳いで帰ろう。こんな場所はクソくらえ』って思った。でも乗り越えたよ。『人生にはもっと大事なことがある』って自分に言い聞かせたんだ。こんな風に考えられるほど恵まれたジャンキーってまれなんだ」

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