Suchmos『THE ANYMAL』クロスレビュー 「音」と「思想」から迫る冒険作の背景

同じジャミロクワイ繋がりで言うと、彼らより先に”スペース・カウボーイ”を名乗った本家、スティーヴ・ミラーにも言及しておきたい。ルーツ・ミュージックに根差しながら非常にサイケデリックでもある折衷的な『THE ANYMAL』のサウンドに触れて、筆者の頭にまず浮かんだのは初期スティーヴ・ミラー・バンドの作品だった。ボズ・スキャッグス在籍時の『Children Of The Future』(1968年)、『Sailor』(1968年)や、ポール・マッカートニーが客演した『Brave New World』(1969年)に顕著な、ブルース/R&B/フォーク/カントリーを現代のサウンド&方法論で過激にミックスしようとする実験精神、1曲が単純な味で終わらない五目味っぷりとドープネスは、Suchmosと重なるところだ。

『Brave New World』収録曲「Space Cowboy」

同時代に活躍するハイエイタス・カイヨーテやサンダーキャットを絶賛してきたSuchmosは、彼らからの影響を新作で表立って見せていないものの、隠し味的にまぶしたフシがある。定型的なギター・ロック・バンドが避けて通る大胆なコード進行やリズム・チェンジをさりげなく持ち込みつつ、総体としては”骨太なロック・アルバム”としての印象を残す技……アレンジ力と演奏力の高さに舌を巻かざるを得ない。TAIKINGのクランチーなギターが駆け回る裏で、TAIHEIが弾き分ける各種キーボード(ピアノ、エレピ、シンセ、メロトロン風までいろいろ)の多彩さにも、是非注目して欲しいところだ。

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