Suchmos『THE ANYMAL』クロスレビュー 「音」と「思想」から迫る冒険作の背景

アルバムをリピートして聴いていると、最終曲の「BUBBLE」から冒頭の「WATER」へと戻る流れが驚くほどスムーズに感じるのは偶然だろうか? 雨上がりの光景から”乾いた星”へと場面が移っていく様が鮮やか過ぎて、何度も頭から通して聴かずにいられなくなる。”アルバム特有の表現”の時代は終わった、と豪語する人も多い2019年だが、それがどんなものだったのか、『THE ANYMAL』がはっきりと思い出させてくれるはずだ。

「同調圧力」を否定する、新しい時代のブルース
矢島由佳子

先日、新元号が発表された。「令和」に込められているのは、「人々が美しく心を寄せ合うなかで、文化が生まれ育つという意味」と「厳しい寒さの後に春の訪れを告げ、見事に咲き誇る梅の花のように、一人ひとりが明日への希望とともにそれぞれの花を大きく咲かせることができる日本でありたいという願い」だそうだ。

この新元号の意味や願いと、Suchmosが最新アルバム『THE ANYMAL』で描いたことは、重なっている、と言うと大げさだろうか。Suchmosはこれまでも、時代に求められる他の表現者たちもそうであるように、時代の少し先を自分たちの目と心で捉えて、世の人々をリードする作品や態度を表現してきた。何名かの有識者が次の時代への想いを込めて選んだ「令和」という言葉と、Suchmosが3月27日にリリースした2年ぶりのアルバムで表現している想いが重なっていることは、大げさでもなければ、偶然でもない気がしている。まさに、今と未来を捉えた表現がここにある、という言い方ができるだろう。

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