企業からの圧力が高まっていることから、米首都ワシントンDCを本拠地とするナショナル・フットボール・リーグ(NFL)のチーム、ワシントン・レッドスキンズがチーム名を「徹底的に再検証する」と発表した。

3日に声明を発表し、再検証について明らかにした。


「全米で起きている昨今の状況と、コミュニティからの意見を反映し、ワシントン・レッドスキンズはチームの名称を徹底的に再検証することをお伝えいたします」

またこの件に関し、NFLと数週間にわたって協議を重ねていることも明らかにした。

NLFのコミッショナー、ロジャー・グッデル氏はこう述べた。「(レッドスキンズの)オーナーのダンとはこの数週間話し合いを進めており、現在も継続中です。我々としても、この重大な決断をバックアップいたします」

人種差別をめぐる国内騒動を受け、チームのオーナーであるダン・シュナイダー氏はこの数週間、各方面からチーム名変更の圧力にさらされていた。

「今回の措置は、チームが誇り高き伝統と歴史のみならず、チームOB、運営オフィス、スポンサー、ナショナル・フットボール・リーグ、そして競技場の内外を問わずチームが誇りをもって代表する地元住民の声を考慮する機会となるでしょう」

チームのホームスタジアムの命名権を持つFedExは2日に声明を発表し、チームに名称変更を求めた。

「ワシントンを本拠地とするチームに、チーム名変更の要請を通知いたしました」と、同社は声明の中でこう述べた。


ワシントンポスト紙によると、これは「合計6200億ドルの資金を運用する85以上の投資会社と株主がFedEx、Nike、PepsiCo各社に対し」、オーナーがチーム名を変更しないのであれば「チームとの関係を絶つよう求めた」のを受けた形だ。

さらに同じ日には、Nikeがチームのオンラインストアから人種差別的なチーム名称のついたグッズをすべて撤去したようだ、という報道も流れた。

チームのコーチを務めるロン・リヴェラ氏は声明の中でこう述べた。「今回の問題は私個人にとっても重要な問題です。今後はダン・シュナイダー氏と密に連携をとりながら、アメリカ先住民およびアメリカ軍を称え、支援するという使命を全うしてゆくつもりです」

6月にはワシントンDCのミュリエル・バウザー市長が、不快なチーム名は変更するべきだと発言した。

「これほど多くの人々を不快にさせる問題に、チームは今こそ対処するべきです。
偉大な歴史をもち、ワシントンの人々からも愛されている素晴らしいチームです。チームを支えるファンの熱意を反映した名称にしてしかるべきでしょう」とバウザー市長。

さらに市長は、現在の名称がチームの新スタジアム建設計画の妨げになる可能性もあると述べた。

「地元の我々にとってはもちろん、土地のリース権をもつ連邦政府にとっても障壁です」

AP通信によると、チームは先月、人種差別主義者だった創設者ジョージ・プレストン・マーシャル氏をチームの殿堂から除名。また、ワシントンの旧RFKスタジアムからもマーシャル氏の記念碑を撤去した。

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