3ピース・メロディックパンクバンド、OWlが2021年10月13日に初の全国流通盤アルバム『KICKASS』をリリースする。

2018年4月に高校の軽音学部でリコ(Vo.Gt.)、KABUKUN(Dr.Cho.)を中心に結成し、キャッチーなメロディと、リコの芯のあるヴォーカルを武器に、2019年8月に全国アマチュアバンド選手権「TEENS ROCK IN HITACHINAKA2019」でグランプリを獲得、「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2019」への出演を果たした。
前ギター脱退後の2020年、たいよー(Gt.Cho.)が加入し、万を時して完成させたのが、アルバム『KICKASS』となる。

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10月からは東名阪ツアーも予定している3人に、バンド結成のことから、アルバムのこと、今後の目標までじっくりと話を訊いた。

ーOWlは、同じ高校の軽音楽部だったリコさんとKABUKUNさんと前ギターの3人で組まれたそうですね。バンド名にはどんな由来があるんでしょう?

KABUKUN:いろいろバンド名を考えていたんですけど、「かっこつけるのって恥ずかしいよね」みたいな感じで全然決まらなくて。前のギターが「ふくろうが好き」と言っていたので、「もう英語にしちゃえばいいんじゃない? OWlでオウルじゃん!」って。そしたら英語の先生に「いや、OWl(アウル)だよ」って注意をされて、OWl(アウル)になりました(笑)。


ーあははは。たいよーさんは高校時代からOWlのことは知っていたんでしょうか?

たいよー:違うバンドで一緒のライブに出たり、企画ライブに呼んでもらっていたので、知っていました。同い歳でかっこいいことをしてる人たちがいるなと。OWlは高2の最初の頃からずっと2ビートを叩いていて、ちょっとうらやましいなと思いながら観ていたんです。

ーうらやましい?

たいよー:自分が高校の時にやっていたバンドは、全員がメロコアが好きなわけじゃなかったので、全部英語のメロコアをやっているOWlが羨ましいなと思っていたんです。

ー最初にリコさんが持ってきた参考音源の中からOWlの音楽性が定まっていたそうですけど、リコさんは当初からやりたい音楽があったんでしょうか。


リコ:高校に入りたての時は、SiMみたいな重めの音楽をやりたいと思っていたんです。3人でバンドを組むってなった時にDizzy Sunfistの曲をみんなに持っていったら、全員一致で「かっこいいじゃん」ってなって方向性が決まっていきました。

OWlが語る野望「メロディックパンクを楽しみながら世の中に広めたい」

リコ(photo by SHUNTA)

ーそんな3人の音楽ルーツを聞いていきたいと思うんですけど、リコさんはどんな音楽を聴いてきたんでしょう。

リコ:中学の頃にメロディックパンクやメロコアにハマってからバンドの音楽をよく聴くようになりました。最初に聴いたのがWANIMAだったんですけど、そこからSHANKやSiMも聴くようになって。最初に聴いた時は特に刺さらなかったんですけど、何回も聴いていくうちにかっこいいかもと思って。
ライブを観に行ったら、かっこよくて気持ちが変わりました。

ー自分でギターを始めたきっかけは?

リコ:もともと父がギター、兄がベースをやっていたので、家に楽器があったんです。最初はギターをやりたいと思って触っていたんですけど、難しくて。ベースを触ってみたらベースの方が弾けて、楽しいかもと思って。そこからベースをやりたいなと思って軽音部に入りました。

ーKABUKUNさんは、どんな音楽ルーツをお持ちでしょう?

KABUKUN:小さい頃から親の影響で、マイケル・ジャクソンや海外のバンドをよく聴いていました。
自分で好んで音楽を聴くようになった時は、J-POP、特にBUMP OF CHICKENとかKANA-BOONがすごく好きで。OWlを組む時に「どういうジャンルでいこうか」と話し合って。リコちゃんから「こういう音楽があるんだよ」と教えてもらって初めてパンクに出会いました。今はずっとパンク系統の曲を聴いていますね。

ーOWlを組むにあたってメロディックパンクにのめり込んでいった、と。

KABUKUN:パンクのドラムは激しいから、「俺、これライブでやったら、めちゃめちゃモテるわ」と思ったんです。
最初はモテたいという気持ちでしたね(笑)。

OWlが語る野望「メロディックパンクを楽しみながら世の中に広めたい」

KBUKUN(photo by SHUNTA)

ーあははは。ちなみにドラムを始めたきっかけは?

KABUKUN:幼稚園の頃、母に初めて基本的なビートを教えてもらったんです。ドラムセットはなかったけど、スティックは母が持っていたのでそれを借りて、枕を叩くみたいな感じで。その頃からモテたい気持ちがあったので、小学校の合奏会でも積極的にドラムをやって。中学2年生ぐらいの時にバンドを作って、年に一度の餅つき大会とかでライブをやっていました。


ー続けて、たいよーさんの音楽ルーツはいかがでしょう。

たいよー:物心がつく前から、親の影響でGREEN DAY、ゼブラヘッドとか、海外のパンクバンドがすごく好きで。その時はただ好きで聴いているだけだったんですけど、中学校の時にラウド系の重ためのロックを聴くようになって、バンドをやりたいと初めて思ったんです。ギターに関しては、父がずっと弾いていたので、中3ぐらいの時に家にあったギターで好きなバンドの曲が弾けたらいいなと思って始めました。

ーOWlの音楽はライブで一層テンションが上がる楽曲だと思うんですけど、コロナ禍によりライブができない状況はどんな心境だったんでしょう。

KABUKUN:実は、最初は「月に1、2本ライブができたらいいね」と話していたくらいで、こんなに活動をするつもりはなかったんです。俺的には1年後ぐらいには解散していると思っていました。逆にコロナ禍になって、たいよーくんとリコちゃんの学校がオンライン授業になって、スタジオに入れる時間が増えたり、できるときにライブをやっていったら、結構いい感じにトントンと進んでいったんです。自分はOWlを続けたかったので、リコちゃんに「辞めるの、もったいないよ! 絶対やろう」とずっと説得していて。「こんなに周りの人がサポートしてくれることもないよ」って。高校卒業する前だから、文化祭ぐらい?

リコ:そうかも。でも続ける決心がつくまで、ちょうど1年ぐらいかかったね。

ーリコさんはどうして続けたいとすぐに気持ちが変わらなかったんでしょう。

リコ:高校卒業後、MVを撮る映像系の仕事をやりたいと高校後半で考え始めたんですけど、バンドと絶対両立できないなと思ったんです。どっちを取るか考えた時に、映像を取ろうと決めて。それでKABUKUNとずっと「OWl辞めない?」みたいな話をしていたんですけど、「せめて名前だけでも残して、それぞれの活動をしながらライブができたらやろう」って約束で残したんです。そしたらコロナ禍になり、専門学校が上手くいかなくて1年間で辞めたこともあって、バンドに対する意欲がめちゃくちゃ上がってきた感じがします。

ーKABUKUNさんの粘りが、バンドにとっていい方向に向いていったんですね。

KABUKUN:粘りました、本当に(笑)。

リコ:感謝しています(笑)。

ーバンド解散の危機は脱しましたが、前ギターが脱退してしまいます。そんな中、どういう理由でたいよーさんに声をかけようと思ったんでしょう。

リコ:同じ高校の軽音楽部にパンク好きなギタリストがいなくて。「入ってもらうなら、たいよーくんしかいないよね」って話をKABUKUNとしたんです。

KABUKUN:それまで、たいよーくんとは一言も喋ったことなかったよね?

リコ:人づてでしか知らなかったんですけど、パンク好きな感じは伝わっていたので、KABUKUNからOWlに誘ったんです。

OWlが語る野望「メロディックパンクを楽しみながら世の中に広めたい」

たいよー(photo by SHUNTA)

ーたいよーさんは声をかけられた時、どんな心境だったんでしょうか。

たいよー:高校の時にやっていたバンドは解散して、専門学校に通って就職をしようかなと考えている時に加入の話をもらったんです。声をかけられた時は「バンドが好きだから月1、2本のライブを楽しく続けたい」って言われて。自分の周りにもメロコアやメロディックパンクが好きな同年代がいなくて、断ったらもったいないなと思って加入を決めました。

ーそうして揃った3人体制で初めてリリースするアルバムが『KICKASS』です。ここに収録されている9曲は、現体制になってから作りはじめた楽曲なんでしょうか?

リコ:「Remember」だけ前のギターと考えた曲で、他8曲は全部たいよーくんと一緒に作りました。

KABUKUN:「Remember」は自分が作詞作曲をしたんですけど、歌詞を前のギターに向けて書いていて。たいよーくんがOWlに入るか入らないかの解散するかもしれない時期で制作していたので、もしかしたら最後の曲になるかもぐらいの気持ちで作った曲なんです。今、この曲をライブでできていて、たいよーくんに感謝しているし、バンドに力を入れると決めてくれたリコちゃんにも感謝しています。だから、自分の中では特別な曲です。自分は結構いろいろなことをすぐ忘れちゃうんですよ。1日経ったら、喧嘩していたこととか、泣いたことも忘れて「なんで俺怒ってたんだろう?」って切り替えちゃう。この曲を演奏したり聴いたりすることで、そのときを思い出せればいいなと思って作りました。

ーちなみにOWlは全編英語詞ですよね? 英詞で歌うことにこだわりがあるんでしょうか。

リコ:あります。日本詞の曲も1回KABUKUNが持ってきてくれてやったんですけど……。

KABUKUN:恥ずかしいんでしょ?

リコ:英語で歌っているから、日本語で歌うのは恥ずかしい気持ちがあるのかもしれない。

KABUKUN:意味が通じちゃうのが恥ずかしいよね。

リコ:あとは単純に、自分たちが好きなバンドも英詞でずっと歌っている人たちが多いから、憧れがあるのかもしれないです。

ー8曲目「Survive」は、今回のアルバムの中でも毛色の違う曲ですよね。

KABUKUN:これも自分が作詞作曲なんですけど、パンクって曲が似てしまうことが多い気がしていて。もともと自分があまりパンクの曲を聴いたことがなかったというのもあって、2ビートの曲が全部同じ曲に聴こえがちだったんです。だから、2ビートに頼らない、ギターのフレーズを歌えて覚えられる曲を作りたいなと思って作りました。

ー男性ボーカルはどなたの声なんですか?

KABUKUN:僕です。このパートは本当はたいよーくんが歌う予定だったんですけど、「歌えねえわ……」ってレコーディング中になって。「レコーディングは俺がやるよ」って感じで、自分が歌いました。でも、ライブはたいよーくんに歌ってほしいなと思っています(笑)。

たいよー:レコーディング中、何回か録って聴いてみたんですけど、歌うのがすごく苦手なんですよ。抑揚のつけ方とかが全然分からなくて。レコーディングはKABUちゃんに頼んで、ライブまでに頑張ろうと思いました。

ーOWlの魅力の一つとしてリコさんのヴォーカルがあると思います。リコさんはOWlを始める前に歌をうたう機会などがあったんでしょうか。

リコ:全くなくて。OWlを始めてから、初めて歌い始めました。もともと歌うことは好きだけど、自信があるわけではなくて。自分がボーカルでいいのかなって思うこともめちゃくちゃあったけど、周りの人から「歌いいね」って言ってもらえることが増えて、少しずつ自信がついてきています。

ー5曲目「Shooting」は26秒と短いファストコア楽曲です。

たいよー:これは自分がやりたかった曲なんですけど、短いメロコアっぽい曲を作りたくて。好きなバンドがよく使うコードを参考にして、それにメロをつけてもらって20秒でバンッて止めて作りました。

ーリコさんの作詞作曲で、特に思い入れのある曲はどれでしょう?

リコ:「Morning」かな。これはコロナ禍が明けた未来を考えて作った歌詞なんです。最初は考えていたメロディが上手くハマらなくて、2、3回丸々考え直して、「これいいね!」って言いながら全員が納得できるよう組み立てていったので思い出深いです。コロナが明けた未来が明るいといいなという想いを込めて作った曲になっています。

OWlが語る野望「メロディックパンクを楽しみながら世の中に広めたい」

photo by 稲垣ルリコ

ーOWlはメロディがすごくキャッチーで武器になっていると思います。3人はメロディが重要な要素だと考えて楽曲を作っているんでしょうか。

リコ:1番大事に考えているかもしれないです。

KABUKUN:例えば「Morning」は、リコちゃんがサビを持ってきて、「もっといいのがあるかも」みたいに考えていきました。前半のメロディはいいけど、後半があまり好きじゃないから、後半のメロディは俺が考えたりして。OWlのメロディは、それぞれの要素を組み合わせて制作している。それぐらい重要だと思います。

ーそういう意味では、4曲目「ONE」はミドルテンポでメロディアスな曲ですね。

KABUKUN:これは俺とリコちゃんが2人で考えました。たいよーくんが体調を崩してスタジオをに来られない時があって。

リコ:その日はスタジオを6時間取っていたんだよね。ちょうどOWlの作曲期間で、たいよーくんが来れないから、2人でデモ曲を練り直していたんです。

ーそういう制作方法もあるんですね。たいよーさんにとって特に思い入れのある曲は?

たいよー:「Dazzling」かな。自分が加入してから初めて作った曲で、メロコアっぽいの作ろうと気合いを入れて作った曲なので、思い入れがあります。ライブでやる回数も多いんです。

ーアルバムタイトル『KICKASS』は、どのように決めたんでしょう?

たいよー:3人でかっこいい単語ないかなと思って調べまくっていたときに、「『KICKASS』いいじゃん」って僕が言ったんですけど、それより良いのが出てこなかったのかな(笑)。パンクっぽくて、ぶっ飛ばすみたいに勢いに乗る感じがあっていいかなと思って決めました。

ー10月16日からは東名阪を巡るツアー「OWl KICKASS Tour21」を開催します。どんなツアーにしたいと考えていますか。

リコ:たいよーくんが入って1年になるので、1年間の集大成として、以前のOWlとは違う部分を見せられるライブを全力でやりたいです。

KABUKUN:初めてのツアーだからってハードルを下げたくないですね。プロ並みのクオリティでやりたいです。

たいよー:対バン相手に負けたくないですね。OWlのツアーで自分たちがトリで演奏する中、前のバンドの方がよかったというふうには絶対にしたくないです。

ー世の中の状況がどうなっていくかは想像つきませんが、OWlをどんなバンドにしていきたいですか?

リコ:ずっと自分たちで「かっこいい」と言えるバンドでいたいなと思っています。もともとは辞めようと思っていたバンドだけど、今は楽しくてやっているので、それをずっとずっと継続できたらなと。前に3人で話したのは自分たちでフェスを開けるようなバンドになろうという目標は明確にあります。

KABUKUN:軽音楽部時代、パンクって幅が狭いところで盛り上がっている感じがしていたんです。僕もパンクロック、メロディックパンクというジャンルをあまり知らなかった。だから、自分たちが1番にジャンルを広められるバンドになりたいんです。リコちゃんが言っていたみたいにそれこそ自分たちでフェスをやったり、他のパンクバンドがやったことがないことにも挑戦していきたいです。

たいよー:自分はとにかく楽しんでバンドを続けたいというのが1番にあります。高校の時はバンドをやっているのがつらい時期も結構あったので。フェスを自分たちでやった時に、憧れのバンドを呼べるようになりたいですね。

<リリース情報>

OWlが語る野望「メロディックパンクを楽しみながら世の中に広めたい」


OWL
アルバム『KICKASS』

発売日:2021 年10 ⽉13 ⽇(⽔)
配信リンク:https://linkcloud.mu/06059a02
※初全国流通リリース
価格:2530円 (税込)
品番:REBI-0001
=収録曲=
1. Free
2. Remember
3. Morning ※リード曲
4. ONE
5. Shooting
6. Age
7. Breeze
8. Survive
9. Dazzling

<ライブ情報>

「OWl KICKASS Tourʼ21」

2021年10月16日(⼟)⼤阪2nd LINE
時間:OPEN 16:30 / START 17:00
共演:FROM ME. / Northrop / Nifa
料金:前売 2400円 / 当日2900円  ※別途ドリンク代(600円)
チケット:https://eplus.jp/sf/detail/3479020001-P0030001
2021年10月17日(⽇)名古屋R.A.D
時間:OPEN 17:00 / START 17:30
共演:Northrop / Alstroemeria / TEAR / Stellarleap
料金:前売 2400円 / 当日2900円  ※別途ドリンク代(600円)
チケット:https://eplus.jp/sf/detail/3480520001-P0030001
2021年11月3日(⽔・祝)東京・新宿LOFT
時間:OPEN 15:30 / START 16:00
共演:ONIONRING / WATER / carabina / JasonAndrew
料金:前売 2400円 / 当日2900円  ※別途ドリンク代(600円)
チケット:https://t.livepocket.jp/e/jw3z7
配信チケット料金:1500円
※ONIONRINGの配信はバンドの都合上、配信がございません了承ください。
配信でご視聴の皆様は休憩時間になります。
配信チケット:https://twitcasting.tv/c:eggs_twitcasting/shopcart/95472

OWL オフィシャルサイト:https://fukurouband.ryzm.jp/