『ミラベルと魔法だらけの家』の大ヒットは「ポップの拡張」が進む2022年の時代的必然?
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音楽メディアThe Sign Magazineが監修し、海外のポップミュージックの「今」を伝える、音楽カルチャー誌Rolling Stone Japanの人気連載企画POP RULES THE WORLD。ここにお届けするのは、2022年3月25日発売号の誌面に掲載された、ディズニー映画『ミラベルと魔法だらけの家』のサントラの記録的なヒットを考察した記事。ザ・ウィークエンドやカニエ・ウェストも凌ぐ特大ヒットは如何にして生まれたのか? 音楽的背景と産業構造的背景の両面から読み解く。

2022年最初の世界的メガヒットは、ザ・ウィークエンドでもカニエ・ウェストでもなかった。リン=マニュエル・ミランダとジャーメイン・フランコによるディズニー映画『ミラベルと魔法だらけの家』のサウンドトラックである。

2022年3月7日現在、このアルバムはビルボードで計8週1位を獲得。一週だけガンナに1位、ザ・ウィークエンドに2位を明け渡して3位に陥落したものの、すぐにトップの座を奪還して守り続けている。そしてアルバム収録曲「We Dont Talk About Bruno」は、3週連続1位だったアデルを蹴落とす形で5週連続1位を独走中。ディズニーアニメの曲が全米1位を獲得するのは『アラジン』の「A Whole New World」以来29年ぶり、そして『アナと雪の女王』の「Let It Go」でさえ最高5位止まりだったことを考慮に入れると、本サントラのヒットがいかに破格であるかがわかるだろう。これは間違いなく2022年初頭を象徴する事件のひとつだ。