【写真】収録中の様子
本記事では、収録を終えたばかりのイブロとAwichの対話の様子をエクスクルーシブでお届けする。ラジオの収録後、沖縄の民謡や三線といったローカルな音楽や楽器に興味を持ったイブロに対して丁寧に説明をしていたAwich。実際にApple MusicでAwich 「RASEN in Okinawa」と沖縄の民謡を流しながら、Awichが「三線は、沖縄特有のギターのようなものなんです。そして、”すりさーさー”というフレーズは、沖縄の民謡によくあるチャントのようなもの」とイブロに説明し、彼も探究心を露わにして彼女に応える。そんな雰囲気の中、彼らへのショート・インタビューが始まった。
―ついに、ここ東京にApple Studioがオープンしました。どのように感じていますか?
Ebro:本当に最高だと思う。もう何年も前からこの話をしていて、ついに実現したことを嬉しく思うよ。
―今回は、多くの日本のヒップホップ・アーティストを呼んでの収録となりましたが、いかがでしたか?
Ebro:すごくよかったよ。特にAwichとも話してたんだけど、日本ってやっぱり”クラフトマンシップ”へのこだわりがすごいと思う。文化や敬意――ちゃんと、丁寧にやるという姿勢が根付いてる。みんな、トレンドやチャートを追いかけるだけじゃなくて、本当に良いものを作ろうとしているのが伝わってくる。僕は30年この業界にいるけど、それって本当に貴重なことだと思うね。
Awich:イブロとの会話は音楽的なヒントをいっぱいもらえるんです。とってもありがたい時間だし、彼と一緒に話すことが出来てとても光栄ですね。
―Awichさんは先日、ニューヨークを訪れた際にも現地にあるApple Musicのスタジオでイブロとお話していらっしゃいました。ニューヨークと東京、それぞれのApple Musicのスタジオでの収録を経験しているわけですが、雰囲気はどうですか?
Awich:とってもAppleらしいというか……(笑)。とても洗練されていて、落ち着いていて、ミニマルな感じ。とてもクリーンな雰囲気ですよね。
Ebro:スタジオには、とにかく音楽があればOKだからね。Appleのチームも熱意にあふれてるし、ポジティブな雰囲気に満ちていると思う。ひとつだけ言うと、僕の声がデカすぎて、日本だと「うわ、うるさっ!」って反応になってしまうかも(笑)。
―こうして日本にもApple Musicのスタジオができて、リスナーにはどんな風に楽しんで欲しいと思っていますか?
Ebro:ただリラックスして、番組や音楽を楽しんで欲しいな。ケンタロウ(落合健太郎氏)やミノ、そしてLANAたちといった信頼できる人が選んだ音楽が流れているわけだし。ちゃんと音楽に向き合っている人たちの声を聴ける場所になればいいなと思っているよ。
―日本のアーティストとの収録の様子を見学させていただきましたが、ローカルのアーティストたちのことを本当によくご存知でびっくりしました!
Ebro:番組のプロデューサーたちが優秀なのもあるけど、自分でもちゃんと彼らの音楽を聴いているよ。アーティストがどんな想いで、どういう意図で言葉を選んでるのか、というところに興味がある。
―Awichさんは先日、FERGとのコラボ楽曲「Butcher Shop」をリリースしたばかりで、リリックは全編英語で書いていらっしゃいます。
Awich:「Butcher Shop」に関しては、いろんな世代のリスナーからすごくいい反響もいただいています。作詞においては、英語をリズムに乗せる方が簡単だと感じるし、自然に言葉がメロディに乗っていく感じがする。日本語だと音の高低が少なくて、話し言葉と歌詞の距離もあるから自分でリズムをつくるのが大事で。
Ebro:うん。俺は日本語は分からないけど、それでもリズムや韻の踏み方だけでも感じるものがある。そこに感情が乗っていたら、それだけで心に響くからね。俺たちは(英語で)色々とめちゃくちゃなことだって言うし、ルールすらないような感じだから。
Awich そう。日本語でもルールを破りながら、自分だけのスタイルを模索していかないといけないと思う。
―スタジオのオープンに寄せて、Awichさんから最後にメッセージを頂けますか?
Awich:イブロも言っていたみたいに、やっぱり音楽を聴いてほしい。切り取られてネットで拡散されているような短いクリップとかリールじゃなくて。それもクールだし、私も好きだけど、やっぱり一曲丸ごと聴いて欲しいですね。一曲全体、そしてアルバム全曲を楽しんでほしい。これは私からのお願いです(笑)。新しいドアが開けるかもしれないし、アーティストにとってもありがたいことだから。

The Ebro Show
Ebro in Japan, Pt.1
配信中