映画「誰がために憲法はある」いまの世の中の流れに対して、映画は何もしなくていいのか?

映画「誰がために憲法はある」いまの世の中の流れに対して、映画は何もしなくていいのか?

いまの世の中の流れに対して、映画は何もしなくていいのか?

 元号が平成から令和へと変わるこの時期、1本の興味深いドキュメンタリー映画が公開される。タイトルは『誰がために憲法はある』。ヘミングウェイの代表作『誰がために鐘は鳴る』をもじったタイトルからもわかる通り、戦争と平和をテーマにした非常に硬派な作品だ。  先日、NHKの世論調査で「平成はどんな時代だったか?」という質問に対し、多くの人が「戦争がなく平和な時代」と答えていた。もちろん世界に目を向けると、第二次世界大戦後も朝鮮、中東、ベトナム、アフガン、イランなど多くの国・地域で戦争が繰り返されてきたが、そんな中、日本が(国連PKO参加やイラクへの自衛隊派遣などはあったものの)これらの戦争に参戦しなかったのは、「二度と戦争をしてはいけない」という多くの国民の思いと、その理念となっている日本国憲法があるからだろう。  日本国憲法の三本柱は「国民主権、戦争放棄、基本的人権の尊重」だ。これは、アジア太平洋戦争という惨渦が政府と軍部の暴走によって引き起こされたという反省のうえに作られている。憲法の前文はまさにこの考えを高らかに宣言しているのだ。  近年、安倍政権は2020年に改憲を目指すと躍起になっているが、自民党の改憲案を読むと、それが現行憲法の理念を180度変えるような大きな変更であることが分かるだろう。ぱっと見はわからないような細かい言葉の修正や追加であるが、彼らが目指しているのが「国民主権の縮小、戦争放棄の無効化、基本的人権の制限」であることは明らかだ。安倍首相は「日本を普通の国にする」と言って憚らないが、彼らの言う「普通の国」とは「普通に戦争ができる国」ということなのだ。  「いまの世の中の流れに対して、映画は何もしなくていいのか?」  井上淳一監督がこうした現状に危機感を覚え、憲法をテーマにした映画を作ろうと思ったのは3年前のことだ。秘密保護法、共謀罪、安保法制といった戦争に繋がる法律が次々と強行採決され、沖縄の辺野古では新しい基地建設が強引に進められる状況に井上監督が黙っていられなかったのは、彼の師でもある故・若松孝二監督の「映画を武器に世界と闘う」という言葉が常に自分の脳裏を過るからだ。  そして井上は1つのアイデアを思いつく。お笑い芸人・松元ヒロのレパートリーである『憲法くん』を映画化できないかと。日本国憲法を擬人化し、ユーモラスに演じるこの一人語りでは、憲法くんがこう言う。 「わたしというのは、戦争が終わった後、こんなに恐ろしくて悲しいことは、二度とあってはならない、という思いから生まれた、理想だったのではありませんか」。 そして、「わたしの初心、わたしの魂は、憲法の前文に書かれています」と憲法前文を暗唱するのだ。

あわせて読みたい

Rooftopの記事をもっと見る 2019年4月27日の音楽記事
この記事にコメントする

\ みんなに教えてあげよう! /

新着トピックス

音楽ニュースアクセスランキング

音楽ランキングをもっと見る

コメントランキング

コメントランキングをもっと見る

芸能の人気のキーワード一覧

新着キーワード一覧

このカテゴリーについて

話題のアーティストのライブ情報や最新音楽情報などをお届け。人気アイドルグループや注目アーティストのインタビューなども充実。