ゆるい本にはまる

 最近は我が人生の心改めを感じながら賛美歌ばかりを聴いている。やはりその影響か「ゆるい」本をたくさん読んでいる。
重松清「日曜日の夕刊」とか川上弘美「センセイの鞄」、川上未映子「すべて真夜中の恋人たち」とか。ほとんどが私にとって初めて手に取る本だ。それらの中で新発見は吉本ばななだ。古本屋で手にとって読み始めた。発行が2000年だから相当昔の本だ。吉本ばななは十数年前に「キッチン」を読んだきりなはずだ。
あとがきに「ムラはあるけどこの中のいくつかの短編は私の作品の中でも一番うまくかけた方だと思う」と筆者は書いている。文章は優しくリベラルでヒューマニティ溢れるこの本に心が洗われる瞬間があった。ぜひ電車の中でゲームはやめて本を手にとって読んで欲しいと願うのみだ。(平野悠)