音楽史を語る上で欠かすことのできない存在、モダン・ジャズの父と呼ばれ、ビバップを生みだしたアルト・サックス奏者、チャーリー・パーカーが2020年8月29日に生誕100年を迎えた。それを記念し、チャーリー・パーカーのYoutubeチャンネルで、著名人たちからのコメントが公開された。
チャーリー・パーカーは1920年8月29日、カンザス州のカンザスシティに生まれ、アルト・サックス奏者として、そして作曲家として「ビバップ」という演奏スタイルと生みだし、当時、主流だったビッグバンドによるスウィング・ジャズから、モダン・ジャズへと流れる潮流を生みだしたレジェンドである。稲妻のようなテンポで心に響くコードを操り、ハードバップ、フリージャズ、フュージョン、そしてその後のすべてのジャンルへの道を切り開き、1955年に34歳という若さでこの世を去ってからも、彼が起こした芸術革命は、ケンドリック・ラマ―の情緒的なヒップホップや、カマシ・ワシントンによる広大的なジャズなど、未だに多くのアーティストに影響を与え続けている。 数々のグラミー賞殿堂入り作品を残し、ジャズ史上の最重要人物と言われる彼の誕生から今年で100年目を迎える。そして、記念すべきアニバーサリー・イヤーを祝うべく、彼のファンとして知られている著名人たちからのコメントがパーカーの公式Youtubeチャンネルで公開された。幼い頃から何度も彼のソロを聴き、真似をするために彼の演奏をブレイク・ダウンして読み解こうとしていたというビル・クリントンは「若くしてこの世を去ったが、彼の精神は、彼の音楽の美しさ、力、天才を通して生き残っている」と語っている。ビル・クリントンの他にも、ハービー・ハンコックや、ウィントン・マルサリス、クリスチャン・マクブライド、ジョン・バティステなどの豪華な面々からのコメントが届いている。 またSNSでは「バード」という愛称で親しまれたパーカーの誕生日を祝うために「#Bird100」というハッシュタグが登場。9月2日にはチャーリー・パーカーの名盤のUHQ-CDでのリイッシュー第一弾も発売となる。『路上』(新訳版『オン・ザ・ロード』)の著者、ジャック・ケルアックが「ベートーヴェンと並ぶ重要な人物」と称し、ニューヨーカー紙が「20世紀音楽の驚異の一人」と、そして、ニューヨーク・タイムズ紙が「無類」「ビバップの原型」と評する唯一無二の天才の生誕100周年のお祝いは今後も続く予定だ。 チャーリー・パーカー 公式Youtubeチャンネル https://www.youtube.com/charlieparkerofficial (日本語字幕随時公開予定) © William P. Gottlieb/Ira and Leonore S. Gershwin Fund Collection, Music Division, Library of Congress
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