映画「YOKOHAMA RELIGHT」のパイロット・トレーラーがNYの老舗映画祭「The Long Island International Film Expo」のTrailer Competitionにノミネートされた。 多くのハリウッド映画人を輩出している同映画祭で日本映画のパイロット版がノミネートされるのは異例の事であり、 本製作を望む声が海外から多数寄せられている。
【純日本人以外が迫害され人種分断が起きた未来の日本で、 帰国子女の青年・迫害されている混血児・名声を手に入れた混血児、 異なるアイデンティティを持つ3人が政府の陰謀に巻き込まれながらも自身の居場所と異種共存の世界を模索していく】これからの世界を予見したかのような内容の本作は、 ニース国際映画祭で外国語映画部門最優秀作品賞を受賞するなど、 海外から高い評価を受ける清水健斗のオリジナル原作で2018年に第3回未完成映画予告編大賞用に制作されたパイロット版。 ファイナリストに残るも、 受賞は逃した。英語と日本語が約半分の割合で使用されている事、 移民問題・人種差別・分断社会など世界で起きている社会問題を題材にしている事から世界で通用する要素があると判断し、 照準を海外へ移しました。 そこから快進撃が始まる。 2019年8月に行われた「Los Angeles Independent Film Festival Awards」trailer部門・10月に行われた「Los Angeles Theatrical Release Competition & Awards」International Movie Trailer部門・11月にはパラマウントピクチャーズ主催「HOLLYWOOD INDEPENDENT FILMMAKER AWARDS and FESTIVAL」にてMOVIE TRAILER部門GOLDを受賞し、 ハリウッド3冠を達成。
移民問題・BLM運動・人々の分断など世界的社会問題を含んだエンターテインメント映画「YOKOHAMA RELIGHT」NYの老舗映画祭で上映!
3つの映画祭はIMDb qualifyingを有すハリウッド映画人の登竜門的映画祭であり世界中から作品が応募されている。 その中でも、 trailer部門はシノプシス重視の評価であることや言語の壁があるため、 日本映画がWinnerを受賞するのは難しいと言われる中での快挙になった。2020年になっても勢いは止まらず、 3月には「Rome Independent Prisma Awards」に選出されヨーロッパ上映を果たし、 10月に満を辞して「The Long Island International Film Expo」のノミネートに至った。 23年の歴史を誇る老舗映画祭「The Long Island International Film Expo」。過去にSteve Buscemi(ゴールデン・グローブ賞ドラマ部門最優秀男優賞)・Cathy Moriarty(第53回アカデミー助演女優賞ノミネート)・Ralph Macchio・Ally Sheedy・Danny Aielloなど多くのハリウッドスターが訪れるNYの老舗映画祭であり、 今年のクロージングパーティーにはアイリッシュマン等に出演していたKathrine Narducciが登壇するなど、 アメリカでも有名な映画祭の一つ。 その中で、 本作は日本映画唯一のノミネートになった。 わずか3分、 日本映画のパイロット版でありながら移民問題・BLM運動・人々の分断など様々な世界的社会問題を含んだエンターテインメントは映画の本場の人々を魅了した。

YOKOHAMA RELIGHT

遠くない未来。 パンデミック終息後の経済復活を目的とした入国管理法大幅改正で外国人は急増。 特令都市に「横浜」が選ばれる。 しかし、 遅れを取り戻そうとスピード重視で施行された制度は日本人の心のバランスを狂わせていく。 外国人は予想を上回る勢いで増加、 比例してトラブルや犯罪も多発。 日本人の間には居場所を奪われたような恐怖感と被害者意識、 外国人や混血児達への差別的考えが充満していく。 2030年、 追い討ちをかけるように再びパンデミックが起こる。 在留外国人が原因だというインフォデミックから異血種に対する弾圧が起こり、 純血主義を掲げる団体PBKが誕生。 ヘイトクライムが連日のように 行われ在留外国人と混血児達は迫害され、 海と金網に囲まれた特別地区「CAGE」に追いやられていく。 ※動画は2018年時のパイロット版になります

清水健斗監督のコメント

本編が無い作品が映画の本場で評価されたのは率直に嬉しいです。 海外で勝負できる作品にするため、 世界的な社会性・普遍性を持った作品作りを意識しました。 世界では移民問題・国民意識の分断・人種差別が大きな問題になっています。 日本では外国人労働者の問題などがニュースで取り上げられていますが、 人々はどこか無関心です。
問題が表面化した時、 外国人やミックスに偏見を持ちがちな日本人は問題を受け入れられるのか?血統・生まれた場所・外見・名前・心…この国で生きる人間のアイデンティティは何で決まるのか?日本が抱えている人種流動の矛盾、 人種差別的な考えを軸に、 閉鎖的な世間にアイデンティティのあり方を問いかける事ができる、 日本でも世界でも通じる社会派エンターテインメント作品を目指しました。 人々がいがみ合うのではなく共存する未来を考えてもらうため、 今作をしっかりと映画化していきたいと思います。 徹底した取材が描き出す「分断された未来の日本」 2017年に今作の企画は始動。 世界的問題になっている移民・人種問題・そこから生じる紛争。 これは近い将来日本でも起こりえる問題。 観光や労働力としての訪日外国人の爆発的増加が見込まれる一方で、 法の整備含めて受け入れの体制は整っていない現状。 このままいけば、 諸外国と同じ問題が起こり、 やがて人種や血統を基準にした分断が起こる可能性がある。 監督の清水健斗は、 世界情勢の調査、 帰国子女や混血児への聞き込み取材に加え、 アメリカ・フランス・イギリスなど様々なルーツを持った人種が共生している国々で取材を敢行。 多国籍国家の現状や問題点と人々の感情を調査、 さらに過去の市民権運動や経済成長予測など様々な観点から未来の世界・未来の日本で起こりうる問題を予測しパイロット版が制作された。 移民問題・香港の市民権運動・BLM・コロナウィルスによる世界の分断など、 今の世界を予見していたかのような社会性が世界の人々の心を掴む結果になった。 日本の映像制作では稀なパイロット版の存在 アメリカのTVドラマなどで用いられる手法で、 本制作に入る前に仮の第1話だけを制作し視聴者や各雑誌の批評家の反応をみて「ヒットするかどうか」「作品のクオリティはどうか」等の指標にする試作品。 アメリカでは年間80~100程度のパイロット版が制作され、 本制作されるのはわずか1/10程度と言われており、 作品の質の高さを保つために重要なものだと言われている。
日本でもかつて特撮作品などで制作されていましたが、 近年はほとんど制作されていない。 今後日本作品が海外作品の質に負けない作品を作るためには必要な事だと考え、 今作での導入に至った。YOKOHAMA RELIGHTの「リライト」には「新しい光」と「歴史を書き換える」という意味合いが込められているので、 作品内容だけでなく制作プロセスも新しい日本スタイルを構築していく。 今後の展開 現世界の情勢を反映させた脚本を2020年内に完成させ、 2021年から本格的に始動予定。 まだ配給・制作は決まっていない状況ではあるものの、 すでに4ヶ国語に対応したプロジェクトチームを準備しており、 日本だけでなく海外配給・制作・資金調達も視野に入れているとのこと。
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