『パッチギ!』『黄金を抱いて翔べ』など、数々の話題作を世に送り出してきた井筒和幸監督。その8年ぶりとなる新作『無頼』は、今年初頭からのコロナ禍で公開が延期されていたが、12月12日(土)より新宿K's cinema、池袋シネマ・ロサ、横浜ジャック&ベティを皮切りに、下記のように公開日が決定した。
東京および横浜:新宿K's cinema、池袋シネマ・ロサ、横浜シネマ・ジャック&ベティ 12月12日(土)より 大阪:第七藝術劇場 12月19日(土)より 京都:出町座、京都みなみ会館 12月18日(金)より 名古屋:シネマスコーレ 12月26日(土)より 福岡:KBCシネマ 12月25日(金)より 以降、順次全国ロードショー 『無頼』の主人公は、誰もが“欲望の資本主義”を追いかけた戦後日本そのもの。敗戦直後の動乱期から所得倍増、奇跡の高度経済成長、政治の季節とオイルショック、さらにはバブルの狂騒と崩壊まで──。激しく変転を続けた昭和という時代が、世間という“良識の監獄”の外側で生き抜いたヤクザ者たちの群像劇を通して逆照射される。 1975年のデビュー作以来、社会のあぶれ者、はみ出し者を冷徹かつ共感に満ちた視線で描き続けてきた井筒監督の真骨頂にして集大成とも言える、もう一つの戦後史だ。 コロナ禍という未曽有の危機が襲った2020年、井筒和幸が送り出す魂の146分。偽りのノスタルジーに彩られた昭和回顧ブームを凌駕する、本格ハード・エンターテイメントがついに公開される。
【井筒和幸監督コメント】 コロナ禍で公開延期になっていた『無頼』が、まさか我が映画渡世で初めての年末正月作品になるとは…。今まで、はぐれ者ばかり描いてきた自分としては驚きです。『ガキ帝国』では少年院上がりの不良たち。『犬死にせしもの』は終戦直後の無法者。『岸和田少年愚連隊』は格差教育の落ちこぼれ。『パッチギ!』は京都ゼロ番地の在日高校生。
『ヒーローショー』は「失われた世代」たち。『黄金を抱いて翔べ』では金塊強奪の流れ者たち──。彼らは、貧困や偏見に抗った「寄るべなき者たち」でした。 本作も、どん底から這い上がり、欲望の昭和を生きたアウトローたち、その一家の半生を描いてます。疲れた大人、夢を失った若者、そして自分にも“くじけるな!”という映画です。2時間25分、さあ、奴らと共に熱かった昭和時代へ──。