TUBEといえば夏をテーマとしたメガヒットを数多く持つイメージが圧倒的に強いが、前田亘輝の包容力あるボーカルの魅力を前面に打ち出したバラード曲も、バンドの評価を高めた重要な要素と言ってもよい。「Remember Me」(1988年)、「虹になりたい」(2000年)といったシングルとしてリリースした楽曲だけでなく、「十年先のラブストーリー」(1991年)、「君となら」(1992年)などの王道ラブバラードはアルバム収録曲ながら高い人気を誇っており、毎夏恒例のスタジアムライブにおいては、大噴水の演出とともに披露されるのが定番となっている。35年にわたる活動の中で、聴き手に愛、夢、友情を抱かせ続けてきたTUBEの底力を感じるアルバムとなるだろう。 そして昨年と今年、TUBEの“ホームタウン”横浜スタジアムにて行われた2つのライブを収めた映像商品「TUBE LIVE AROUND SPECIAL2019-2020 at stadium & at home」を12/23にリリースすることもあわせて発表された。 昨年8月、3万人を集めて行われた「TUBE LIVE AROUND SPECIAL 2019 ~NATSUNO・O・MO・TE・NA・SHI~」と、今年9月、無観客で行った配信ライブ「TUBE LIVE AROUND SPECIAL 2020 HELP! ~NEVER GIVE UP SUMMER~」という2本のライブ。同じ横浜スタジアムでのライブでありながら、コロナ前と後、満員の観衆の中で盛り上がりを見せた昨年のライブと無観客で行われた今年の配信ライブという、いわば真逆の状況において、考え抜かれた演出とTUBEの熱いパフォーマンスは一見の価値ありだ。
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