暮しの手帖社は、 『花森安治選集』の完結巻となる第3巻を、 11月下旬に刊行する。 第3巻には雑誌『暮しの手帖』の初代編集長である花森安治が、 1960年から没年となる1978年に書き残した文章を収録。
その筆は、 高度経済成長を迎えたこの時期、 いっそう鋭くなった。二度と戦争を起こさない世の中にするために。 「だまされない人たちをふやしていく」ために。 花森は『暮しの手帖』誌上で、 ユーモアを交えつつ、 誰にでもわかりやすい文章で、 今起きている危機をつまびらかにした。 また花森は「ジャーナリストにとっては、 なにを言ったかということの外に、 そのことを〈いつ〉言ったか、 ということが、 大きな意味をもつ」とも述べている。
『暮しの手帖』花森安治の著作集いよいよ完結! 「ぼくらは二度とだまされない」発売!
花森安治 著 装画・カット:花森安治 装釘:佐々木暁 敗戦から時がたち、 東京オリンピックや大阪万博といった華やかな話題のうらで、 政治腐敗や利益至上主義による公害などの問題がつぎつぎ明らかになった当時。
国によって壊された「暮し」や「民主主義」を自分たちの手で取り戻そうと、 一本のペンを武器に、 国や大企業におもねることなく真っ向から対峙した。 「運動会がすんだら博覧会」、 「国をまもるということ」、 「武器をすてよう」……。 今まさにオリンピックに揺れ、 税金などの問題を抱える私たち。 その助けとなるような力強い言葉が数多く収録されている。 ぜひこの機会に、 みなさまにお読みいただきたい一冊。 本書の解説は『花森安治伝-日本の暮しを変えた男』(2013年・新潮社)の著者であり、 今年2月に『最後の読書』(新潮社)で読売文学賞(随筆・紀行賞)を受賞した、 津野海太郎の執筆。
そして黒柳徹子が帯文を寄稿。 戦争はいやだ。 これを読むとよくわかる。 花森さんの魂のメッセージだ。 ――黒柳徹子(女優・ユニセフ親善大使) 全3巻購入者特典として特製レターセット&クリアファイル&表紙絵ポストカード(3枚)を応募者全員にプレゼント。(応募締切 2021年3月31日消印有効)
『暮しの手帖』花森安治の著作集いよいよ完結! 「ぼくらは二度とだまされない」発売!

目次

I章 うじゃじゃけるな、 世間よ! 風の吹く町で1 やらずぶったくり/ブルゥフレーム/モダンお長屋 風の吹く町で2 ケチでない歌手/カンちがい看板/つり出し番組/汽車ポッポ 風の吹く町で3 現場へつれてゆく/あつい礼儀/タイトスカート/泳げない先生 風の吹く町で4 〈消費者のために〉という言葉は美しいが…… 風の吹く町で5 類似品アリ、 ゴ注意クダサイ 風の吹く町で6 クジビキ券/トンチンカンニクス/多すぎる踏切 風の吹く町で7 ゼニがなくともくよくよするな/アホらしいキカイ 風の吹く町で8 チョンマゲとネクタイ [資料]この十五年という年と月と日々と II章 ぼくらは ぼくらの旗を立てる お茶でも入れて10 1ケタの保険証 お茶でも入れて11 運動会がすんだら博覧会/いいかげんにしてくれ/二百八十億円 どぶねずみ色の若者たち 世界はあなたのためにはない 美しいものを 戦場 武器をすてよう シェーファーのインク瓶 商品テスト入門 もののけじめ 国をまもるということ 無名戦士の墓 『朝日新聞』日曜版「東京だより」 見よぼくら一銭五厘の旗 [資料] 暮しの手帖の三つの幸せについて あとがき 『一銭五厘の旗』(1971年10月) III章 ぼくには一本のペンがある 剣よりも強さ示そう 君もおまえも聞いてくれ 『文藝春秋』第50巻第3号 わが思索わが風土 1 校正の神様―本の目次に名入り/2 一夜の教え―言葉の本質を聞く/3「お母さん」―読めぬなら教えよ/4 子供のけんか―親とは別の世界/5 一本のペン―剣より強さ示そう『朝日新聞』連載「わが思索わが風土1~5」 内閣を倒した無学文盲の三人の女たち 未来は灰色だから 二十八年の日日を痛恨する歌 もう、 時間はいくらも残っていない 作りばなし たのしきナンキンマメ ぼくは、 もう、 投票しない 人間の手について 早春と青春 解説 津野海太郎 元編集者、 評論家 [資料] 花森安治の仕事と主な作品年譜・1960~78年
『暮しの手帖』花森安治の著作集いよいよ完結! 「ぼくらは二度とだまされない」発売!