1999年7月に渋谷シネクイントのオープニング作品として公開され爆発的ヒットを記録した、ヴィンセント・ギャロ初監督作『バッファロー'66』が2021年1月29日より渋谷ホワイト シネクイントにて約20年ぶりにロードショー公開される。この度、本公開に合わせた新規の予告編が完成、解禁となった。
『バッファロー'66』はそれまでクレール・ドニ、マーティン・スコセッシ、エミール・クストリッツァ、アベル・フェラーラなどの個性派監督作品に出演していた俳優であり、ミュージシャンであり画家でありモデルでもあったアーティスト、ヴィンセント・ギャロが初めて監督に挑んだ長編映画。 当初は『断絶』(1971)のモンテ・ヘルマン監督で企画実現を考えるも、最高の作品にするためには自身のすべてを注ぎ込む必要性を感じ、結果、監督・脚本・音楽・主演の4役をこなすこととなった。 ギャロ自身の子ども時代の経験と感情を脚本に盛り込み、意表を突く状況設定、意外性のあるドンデン返し、そして最高のハッピー・エンディングでとことんダメな男の人生模様を最高にカッコ良く描く。 また、ブチ切れやすいのになぜか憎めない男と彼のすべてを優しく受けとめるポッチャリ系美少女という従来の恋愛映画では絶対主人公になりえない2人をスクリーンに登場させ、いまだかつて誰も見たことのない恋物語となった。
ダメ男の相手役であるレイラを演じるのは『アダムス・ファミリー』(1991)のクリスティーナ・リッチ。またオスカー女優のアンジェリカ・ヒューストン、ジョン・カサヴェテス作品の常連ベン・ギャザラ、『グラン・ブルー』(1988)のロザンナ・アークエット、『イヤー・オブ・ザ・ドラゴン』(1985)のミッキー・ローク、『ビッグ・ウェンズデー』(1978)のジャン=マイケル・ヴィンセントなど、脇を固める俳優陣も個性的で豪華な顔ぶれが揃っている。 音楽はヴィンセント・ギャロの自作曲のほか、英国プログレッシブ・ロック界の二大巨頭イエス、キング・クリムゾンらの楽曲も使用。このオフ・ビートなヒューマン・ドラマは渋谷のミニシアター文化を牽引した渋谷シネクイントのオープニング作品として1999年7月3日に公開、34週間の大ロングラン、興行収入2億5,000万円を記録する驚異的ヒットとなった。
この度解禁となった予告編は“Billy Brown is back”という文字とともにイエスの「Heart of the Sunrise」で始まる。ヴィンセント・ギャロ演じるビリーはレイラ(クリスティーナ・リッチ)を拉致、父親と激しい口論を展開する。そして「抱きしめて」と言うレイラに対し、頭を抱えながら「握手で我慢しろ」と返すビリーの姿は、ブチ切れやすくもナイーブな本当のダメ男ぶりが伝わってくる。 またキング・クリムゾンの「Moonchild」の旋律を背景に、ボウリング場で踊るレイラの姿は『バッファロー'66』を象徴するシーンであり、90年代末という時代と、当時のミニシアター文化の熱気がよみがえってくる。
『バッファロー'66』は初公開以後、他の作品に関連したイベント上映などで数回上映が行なわれてきたが、久々にホワイト シネクイントにてロードショー公開。本作のロードショー公開は約20年ぶりとなる。
【ストーリー】 刑務所を出て故郷の街バッファローに帰ろうとしていたビリー。誰も迎えに来ずひとりぼっち。挙句の果てに何も事情を知らない両親に電話をかけ、「これから婚約者を連れていく」と大見栄をきってしまう。偶然通りがかった少女レイラを拉致し恋人のフリをするよう脅し両親と無事対面。一方レイラは同行するにつれビリーの孤独な素顔を知り優しく接しようとするが、彼にはやり残したことがあった──。