14年経って違う側面が見えたら面白い
──『kocorono』をまた別の形で世に問うてみたい気持ちは以前から吉村さんのなかであったんですか。
吉村:廃盤になってない唯一のアルバムだからね(笑)。まぁ、いつかは何かしなくちゃいけないのかなとは漠然と思ってた。今回、キングレコードからオファーを受けた時はちゃんとしたコンセプトがあったから、やってみることにしたんだよ。1年ほど前に話をもらった時は今度の新作(『NO ALBUM無題』)を作る上で一番悶絶する直前くらいで、新作作りのモチベーションも欲しかったんだよね。
──“いつかは何かしなくちゃいけない”というのは、何かやり残した思いがあったということですか。
吉村:いや、そういうわけじゃない。「1月」を入れるコンセプトに俺の本心はないんだよ。『kocorono』はあくまで「2月」から始まって「12月」で終わるのがコンセプトだから。あと俺自身、紙ジャケは大好きなんだけど、もともとプラケースだったものを紙ジャケにするのはどうなんだろう? って思って(笑)。でも、タスキが日本盤に付いてるようなロックの名盤に対する憧れで作ったアルバムであることは間違いないし、紙ジャケもアリかなとは思うけど。
──そして、“完全盤”と銘打って発表するなら名越さんや当時のエンジニア氏ともう一度タッグを組むのが絶対条件であったと。