21世紀に残したい泣ける名曲 第1位『会いたい』を歌い続け、来年でデビュー35周年を迎える 歌手 沢田知可子が「コンサート2021 ~あの頃からのラブレター~」を12月5日 東京・日本橋三井ホールで開催した。 コンサートは1996年発表の『星空の駅~マイ・ピュア・ステイション』からスタート。
最後に、2012年のアルバム『adagio』から、地球、命といった壮大なテーマを取り上げた『MAYA』で第一部を締め括った。 第二部の冒頭では、1936年の映画『モダン・タイムス』で使用されたチャールズ・チャップリン作曲のテーマ曲『Smile』を日本語詞で披露。続いて、1973年の米国映画の主題歌『追憶』を日本語詞で歌った。 スペシャルゲストとしてポップオペラの貴公子、藤澤ノリマサをステージに迎え1982年の米国映画の主題歌『愛と青春の旅立ち』と、藤澤ノリマサの新曲『橋 -IL Ponte-』をデュエットで披露。そして、名曲『会いたい』の30年後を描いたアンサーソング『時がめぐるなら...』を2人で感動的に歌いあげた。「(写真の)あなたは今でも若くて 私はひとりで時を重ねた」と戻らない思い出に語りかける歌詞が会場の涙を誘った。 そのアンサーソングに呼応して、定番の名曲『会いたい』を披露。 「『会いたい』があるから今の私があります。でもこれからも夢を持ってチャレンジして新しい歌をお聴かせして行きたいと思います」と語る本人の目には決意と涙が光っていた。エンディングでは、最新アルバム『会縁奇縁 涙曜日』から「幸せは待ち合わせの場所には必ず遅れてくる。だけど必ず君のところに来る」と歌う『この星の歩き方』を情感たっぷりに歌った。
今月12月21日には、さいたま芸術劇場 小ホールにて「時がめぐるなら ~あの頃へのラブレター~」と題して、今回のコンサートと対になる内容のコンサートを催す。 また、年明けの1月19日には、1990年の「会いたい」リリース直後の感動的なライブ2作品を初DVD化した映像作品「沢田知可子 / LIVE 1990 & 1991」を発売する。「会いたい」「恋人と呼ばせて~Let me call your sweetheart~」「COME INTO MY LIFE」などの大ヒット曲をあの日の沢田知可子が歌い上げる感動ライブ2編。ユニバーサルミュージックのサイトで特典付き予約を受付中。 カメラ:西村彩子
続いて1987年のデビュー曲『恋人と呼ばせて~Let me call your sweetheart~』を披露した。 今回のテーマは、昔書いたりもらったりしたラブレターを読み返すように、人生の時間旅行に出かけようというもの。観客が人生のいろんな時期の思い出を呼び起こせるように、沢田自身の当時の思い出をMCで織り交ぜながらコンサートは進んだ。 「デビューシングル『恋人と呼ばせて』は、叶わぬ恋の歌です。そういう曲だからか、この会場の隣町銀座で有線リスエスト1位になるという小さな奇跡を起こしました。そして銀座のお姉様たちから地方のスナックに少しずつ伝わったのです。今でも地方のスナックに行くと、この曲が1番好きと言ってくれるママさんがいるんです」とデビュー曲のエピソードを語った。 また、新たなリラックスを求めて自身が最近20年ぶりに小田原市に引越したエピソードを話しながら、1995年のアルバム『Cocktails』より『引越し』を披露した。 ここ最近の沢田知可子のテーマは、洋楽に美しい日本語に乗せて届けるというもの。名曲に作詞家 松井五郎が訳詞を付けた日本語バージョンを沢田が情感を込めて歌う。来年3月のアルバムリリースを見据えて既に40曲ほどデモテープが出来上がっているそうだ。 コンサートでは、ビージーズの『若葉のころ』、エリック・クラプトンの『Tears In Heaven』そしてフランキー・ヴァリの1967年の大ヒットでディスコ・クラシックとしてもお馴染みの『君の瞳に恋してる』などを日本語詞で披露した。
続けて、ダンサブルな自身の新曲『HAVE A NICE DAY』で会場のオーディエンスをハッピーオーラに巻き込んだ。
アンコールでは沢田の結婚式のキャンドルサービスで流れていたというクラシックのスタンダード『ボレロ』をモチーフに藤澤ノリマサが作った『Bolero~今心を信じて~』、そして沢田のコンサートのエンディングの定番『ありがとう』を一言一句噛み締めながら歌い、約140分のステージの幕を閉じた。 沢田知可子の声は、デビュー当時から変わらず、包み込むような優しさとキレのある爽やかさが同居した唯一無二の声。彼女の声で何度同じ曲を聴いたとしても、毎回新しい感動をくれるのは、生身の人間としての沢田自身の喜びと悩み苦しみから生まれた深い隠し味が込められているからだろう。今の時代に、もっともっと多くの人が耳を傾けるべき音楽を奏でているし、来年発売予定の洋楽の日本語カバーアルバムも含めて、ベテランながらこれからがとても楽しみなアーティストだ。
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