在留外国人で最も多いのは中国人だが、最近では中国以外の外国人も増えてきた。その理由の1つには、中国の経済成長により日本で働く理由がなくなってきたことがあるだろう。
2020年10月の時点で、外国人労働者数ではベトナム人が中国人を上回っていたが、それでも42万人近くの中国人が日本で働いていたという。

 経済発展を背景に中国の平均収入が上昇してきているなか、日本で働くことには何か理由があるのだろうか。中国の動画サイト・西瓜視頻はこのほど、日本で働く最大の目的は、お金を稼ぐことではないと主張する動画を配信した。

 配信者は、日本で働く中国人男性だが、日本で働くことで「お金以上の財産」を得たと紹介している。それは「見識と開けた考え方」だという。例えるなら、日本社会は40代から50代の壮年であるのに対し、中国は20代の若者のようで、活力にあふれているが考え方がまだ成熟していないので、様々な点で成熟している日本で働くことで多くを学べるとした。


 たとえば、日本が現在の水準に至るまでどのような軌跡を辿ってきたのか、社会構造といった大きな視点のものから、各企業におけるマネジメント方法といった点まで、中国国内にいたのでは知り得ないことが、日本にいるからこそ学べるのだと主張。こうした学びこそ、日本で働くことで得た「お金以上の財産」であると論じた。

 奇跡を伝統的な拝金主義の傾向が強い中国では異色の考え方だが、動画に対する反応はいずれも好意的なものだった。視聴者からは、配信者の考えに強い賛同を示すものや、若いのにしっかりしていると称賛する内容のコメントが多く寄せられた。

 このほか、「退職したら絶対に日本に行ってみる」と日本に興味を示す人や、日本にいる家族を呼び戻すか悩んでいたという人は「気持ちが決まった」と感謝していた。「中国人の9割は1メートル先しか見えていない」と、日本との考え方の違いを指摘する人もいた。
日本が多くの中国人を引き寄せているのは、経済力だけではないようだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)