ファイブアイズは、米国、英国、カナダ、豪州、ニュージーランドの5カ国によるインテリジェンス協力の枠組みだが、近年この枠組みに日本が加入する可能性が話題となっており、このことに中国も注目しているようだ。中国メディアの百家号はこのほど、「ファイブアイズはなぜ日本の加入に同意しないのか」と題する記事を掲載した。


 記事はまず、ファイブアイズについて「国際法や関係するルールに反して、大規模かつ組織的に他国を盗聴、監視などをしていた組織だ」と主張した。そして、ここに日本が「尻尾を振って」入ろうと試みており、日本はおこぼれにあずかろうとしていると主張した。

 しかし記事は、ファイブアイズが日本の加入に同意することはないと断言している。その理由の1つとして、「ファイブアイズはもともと日独に対抗するために作られた」ためだと主張。第二次世界大戦中に米英が日独の軍事用暗号を解読するために結成したのが始まりだからだ。今では日独は敵ではなくなったものの、その初志からすると日本の加入はあり得ないとしている。

 
 別の理由として、ファイブアイズは近年までその存在が明らかになっていなかった「小さなグループ」であり、メンバーの各国はその規模を大きくすることを望んではいないと主張した。もし日本を加えたら、イスラエルやフランス、韓国など他の国に対して不公平になることも関係しているという。

 さらに、日本はあくまでも「米国の舎弟」であり、ファイブアイズは主人である米国を中心とした枠組みなので、米国としては日本がそこから益を得ることは望むわけがないと説明した。

 こうした理由のため、日本はファイブアイズに加わることができないとしているが、これは中国の強い希望を示していると言えるだろう。それだけ中国はファイブアイズや日本の動きに対して警戒しているようだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)