中国のポータルサイト・新浪にこのほど、日本人との国際結婚が多いことで知られる中国東北部にある県について紹介する記事が掲載された。

 記事は、1996年より中国人の国際結婚で日本人との結婚が最も多い状況が続いており、日中間の国際結婚のおよそ9割が中国人女性と日本人男性の組み合わせであると紹介した。
そして、中国の中でも黒龍江省にある方正県では毎年日本に嫁ぐ女性の数が、その年に現地で結婚登録を行った女性のおよそ20%を占めるほど盛んに日中間の国際結婚が行われていると伝えた。

 そして、方正県で日中間の国際結婚が多い理由について「歴史的な問題と関係している」と指摘。1931年の満州事変以降、日本は中国東北部に大規模な「開拓団」と呼ばれる市民を送りこみ、戦前、戦中を通じて多くの開拓団員が現地で生活をしたと紹介するとともに、45年に日本が無条件降伏すると、開拓団員たちは日本軍に見捨てられて路頭に迷うことになったとした。

 その上で、善良な方正県の人びとが開拓団員たちの悲惨な状況を見かね、人道主義的な精神から彼らを助け、幼子を養子にして育てるなどしたと説明。このような経緯があることから、現在に至ってもなお方正県と日本との関係は中国の他地域に比べて深く、友好的なのだと伝えている。

 記事は、日本と中国との間に民族的なわだかまりの感情が今なお残っていることは否めないとしつつ、「各地方にはそれぞれの状況というものがある。
われわれはより客観的な視点をもって、方正県の状況を見るべきなのだ。すべてを恨みの感情で処理してはいけない」と結んだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)