中国経済は今なお成長を続けており、中国の世界に対する影響力もそれに応じて拡大を続けている。日本人からすれば「中国人は自国に対する自信を深めているに違いない」と思いがちだが、決してそうではないのだという。


 中国の動画サイト・西瓜視頻はこのほど、「中国人は自信を持てていない」と指摘する動画を配信した。「戦勝国なのに、敗戦国である日本よりも民族としての自信がない」と問題視している。

 中国は第2次世界大戦の戦勝国であり、国連安保理の常任理事国だ。そして近年は経済力が拡大の一途を辿っており、世界における存在感もますます大きなものとなっているというのに、中国人に「自信がない」というのはどういうことなのだろうか。動画では、「中国人の自信のなさは日本人以上だ」としたうえで、そのきっかけはアヘン戦争で負けて不平等条約を結ばされた「清の時代」にまでさかのぼるとした。これは歴史ある大国にとって屈辱的な出来事だったという。
また、第2次世界大戦後に「モンゴルを奪われた」のもショックで自信を失ったとしている。中国人からすると、現在のモンゴル国は「奪われた」ことになっているようだ。

 大国としての自信と誇りを取り戻そうという動画の主張とは裏腹に、多くの中国人ネットユーザーたちは「自信をなくすのも当然だ」と反応していた。「中国国民の大半が生きるロボットなのに、どこから自信が来るのか」、「民族としての自信を持つには、良い環境が必要だ」など、自信が持てないのにはそれなりの理由があると指摘していた。また、中国人に自信を持たせたいなら「英語を禁止すれば良い」など、英語重視の教育を見直すよう提案する意見も目立った。

 動画では、中国で民族主義が再燃しているのに自信が持てないのは矛盾だ、と主張しているが、自信が持てないからこそ民族主義や愛国主義を強調しているのではないだろうか。
そんな中国人からすると民族主義や愛国主義を唱える必要のない日本は、よほど自信があるように見えるということなのかもしれない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)