2019年の韓国に対する半導体材料の輸出管理強化で、半導体材料の分野における日本企業の強さが鮮明になったが、中国メディアの網易はこのほど、半導体材料関連の企業のなかでもずば抜けた存在として、凸版印刷を紹介する記事を掲載した。

 記事は、凸版印刷について1900年に創業した老舗の印刷会社で、1961年に半導体材料の1つであるフォトマスクの分野に進出したと紹介した。
現在、世界のフォトマスク市場で大きなシェアを獲得し、存在感を示し続けている凸版印刷は「半導体材料分野の隠れた王者」だと強調した。

 さらに、凸版印刷は「半導体業界の命脈を握っている企業」だと表現し、その根拠として「フォトマスクは半導体製造に欠かせない重要な材料」で、その精度は半導体の品質に直接影響するからだと説明した。また、半導体ごとに異なるフォトマスクをオーダーメイドで生産するので、ウェーハと違って量産できないことも、フォトマスクが重要な材料の1つと言える理由だとしている。

 では、凸版印刷はいかにしてフォトマスク分野における現在の地位を確立したのだろうか。記事は、凸版印刷がフォトマスク分野に進出した時期は、日本の半導体産業が大きく成長している時期だったので良い環境にあったと指摘。

 また、2005年には当時世界三大フォトマスク企業の1つだった米デュポンフォトマスク社を買収し、技術統合することで世界トップの企業になったと説明したほか、研究開発にも継続的に力を入れ続けているがゆえに世界トップクラスの競争力を維持し続けることができていると紹介し、「半導体業界の命脈を握っている企業」という表現は決して誇張ではないと論じた。
(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)