日本のスーパーコンピューター「富岳」は、世界のスパコン性能ランキングである第58回「TOP500」リストで、4期連続の世界1位となった。しかし、中国メディアの騰訊はこのほど、それでもスパコン技術に関する米中の実力は日本を上回っていると主張する記事を掲載した。
記事はまず、スーパーコンピューターは多くの国が、その国の総合的な技術力と科学力を示す指標と見なしていると紹介した。それで、この分野で米中は激しい主導権争いを繰り広げているが、この2年ほどは日本の「富岳」がトップとなっていると指摘した。今回のランキングでは2位と3位が米国のスパコンで、中国の「神威・太湖之光」は4位、「天河2A」は7位に甘んじている。
しかし記事は、このランキングで中国のスパコンは173台がランク入りしており、全体の34.6%を占めたと指摘した。米国は149台で29.8%であり、いずれも日本を上回ったことを強調した。
また、中国は100京級次世代スーパーコンピューター(E級スパコン)の分野で進んでおり、2021年3月には世界初となるE級スパコン「神威・海洋之光」が完成したと報じられていることを伝えた。この「神威・海洋之光」の計算速度は「富岳」の3倍だが、まだ正式に公表していないので日本の「富岳」が1位になれただけだと主張している。
このほか、中国は「天河3号」と「曙光E」という別のE級スパコンも研究開発が完了しているが、いずれもまだ正式に発表してはいないと伝えた。米国もE級スパコンを研究開発しており、今のところ米国の方が性能は若干上だが全体的なレベルはほぼ同じだと主張した。記事としては、E級スパコンで日本より進んでいる中国の方が実際の技術力は上だと言いたいようだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)