中国人にとって欠かせない交通手段となった高速鉄道だが、これまで車内販売の弁当は「高いくせに不味い」として評価は低かった。しかし、最近では改善が図られているようだ。
中国メディアの新浪網はこのほど、中国高速鉄道の弁当に「改善の傾向が見られる」と論じる記事を掲載した。

 記事はまず、高速鉄道が普及する前に広く利用されていたえ「寝台列車」には、食堂車両があってその場で料理を作ってくれたものだと懐かしそうに振り返った。高速鉄道車両にも食堂車はあるが、厨房はなくなり弁当などを提供するだけとなっている。

 中国高速鉄道で販売されている飲み物や食べ物については、これまでは利用者の評判があまり良くなかったが、最近では変化してきているようだ。記事は、中国鉄路昆明局集団は、スターバックスとコラボして淹れたてのコーヒーを販売するようになり、中国のネット上で大きな話題になったと紹介した。また、中国鉄路広州局集団は、タピオカミルクティーなどの販売を始めたという。


 弁当については、高速鉄道では「セントラルキッチン」でまとめて作っていると紹介した。そのうちの1つである四川省成都市にある工場では、1日に1万3000食から3万食を製造しており、地域の食文化に合わせて回鍋肉や辣子鶏丁などの四川料理を提供しているという。

 この会社では、毎年メニューの大幅な見直しを行っており、利用客からのフィードバックに基づいて新メニューを開発しているという。回鍋肉は低温物流でもおいしさを保つのに苦労したそうだ。記事によると、各地の鉄道局も地元の料理を生かした弁当をリリースしており、こうした努力が実れば、これまで評判がいまひとつだった中国高速鉄道の弁当も見直されるようになるかもしれない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)