中国の自動車市場は世界最大の規模を誇り、各自動車メーカーにとって中国市場の販売台数が業績を大きく左右する状況となっている。

 それだけに各メーカーは中国市場の攻略に必死になっているが、中国市場で人気の日系メーカーやドイツ系メーカーは「中国人消費者をよく研究している」という。
中国メディアの網易はこのほど、日本とドイツの自動車メーカーは中国人の消費者心理をよく理解していると主張し、その傾向について紹介する記事を掲載した。

 2021年9月時点における中国の自動車保有台数は2億9700万台に達し、世界一となっている。しかも、自動車市場は今なお右肩上がりで成長を続けていることから、中国市場を最重視しているメーカーは少なくない。

 ドイツ車と日系車は中国の自動車市場で高く評価されており、実際に大きなシェアを獲得している。記事は「ドイツ系メーカーは中国人消費者の『メンツを大切にする気質』をよく理解している」と指摘。ドイツ系メーカーは中国市場でハイブランドという地位を確立するマーケティングに取り組み、ドイツ車に乗ることで「メンツが立つ」という環境を作り上げたことを指摘した。


 また、日系メーカーについては「性価比」を重視する中国人の心理をよく理解しているとした。「性価比」とはコストパフォーマンスのことであり、中国では日常の消費でも常に「性価比」を評価しながら、買い物をする消費者は少なくない。日系車は価格が高くないにもかかわらず、耐久性が高く、下取り価格の残価率も高いため、コストパフォーマンスは極めて高いと言えるだろう。

 記事は、中国市場の攻略に向けてローカライズを行わないメーカーもあるなか、ドイツ系メーカーと日系メーカーの中国市場における成績は中国人消費者を理解し、尊重した取り組みの成果であると伝えている。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)