投資家心理が上向く流れ。米景気後退(リセッション)懸念の後退や中国経済対策の期待感が相場を支えている。米国では、4~6月期の実質国内総生産(GDP)改定値が速報値から上方修正された。中国本土では、中国人民銀行(中央銀行)が29日、景気支援に向けた新たな手段を検討していると改めて強調している。外電は30日、関係者の話として、「当局は消費促進のため、住宅ローンの借り換え容認を検討している」と報じた。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、不動産管理サービスの華潤万象生活(1209/HK)が8.8%高、新興EV(電気自動車)メーカーの理想汽車(2015/HK)が7.8%高、中国自動車大手の比亜迪(BYD:1211/HK)が6.0%高と上げが目立った。
セクター別では、中国の不動産が高い。上記した華潤万象生活のほか、旭輝(884/HK)が11.8%、世茂集団HD(813/HK)が10.5%、万科企業(2202/HK)が9.9%、中国奥園集団(3883/HK)が8.1%ずつ上昇した。
自動車セクターも急伸。前記した理想汽車やBYDのほか、蔚来集団(9866/HK)が10.7%高、小鵬汽車(9868/HK)が8.3%高、長城汽車(2333/HK)が7.3%高で引けた。
中国の保険・証券セクターも物色される。新華人寿保険(1336/HK)が7.4%高、中国太平洋保険集団(2601/HK)が5.8%高、中国人寿保険(2628/HK)が5.5%高、中信証券(6030/HK)が2.6%高、国聯証券(1456/HK)が2.2%高で取引を終えた。中国人寿保険の中間決算は6%増益に上向き(1~3月期決算は9%減益)、中間配当の初実施方針も明らかにしている。
半面、中国の銀行セクターはさえない。招商銀行(3968/HK)が4.3%、中国工商銀行(1398/HK)が2.8%、交通銀行(3328/HK)が2.4%、中国建設銀行(939/HK)が2.0%ずつ下落した。業績懸念がくすぶる。交通銀行に続き、招商銀行の中間決算も減益だった。
一方、本土マーケットは4日ぶりに反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.68%高の2842.21ポイントで取引を終了した。不動産株が高い。保険・証券株、ハイテク株、消費関連株、素材株、インフラ関連株、医薬株、エネルギー株なども買われた。半面、銀行株は安い。公益株、メディア関連株も売られた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)