指標発表前に買いが手控えられる流れ。米国では今週、米連邦準備制度理事会(FRB)が政策判断で重要視する労働関係の指標発表が相次ぐ予定だ(5日に8月のADP全米雇用リポートと週間の新規失業保険調査、6日に8月の米雇用統計)。中国では来週、8月の各種経済統計が集中して発表される(9日に物価、10日に貿易、14日に小売売上高や鉱工業生産など、15日までに金融)。もっとも、下値を叩くような売りはみられない。米長期金利の低下がプラスだ。昨夜の米債券市場では、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ幅が0.5%に拡大するとの予想が多く、米10年債利回りが8月上旬以来の低水準を付けている。香港は金融政策で米国に追随するため、域内の金利低下も期待された。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、石油・化学大手の中国石油化工(サイノペック:386/HK)が6.1%安、石油グループ大手の中国石油天然気(ペトロチャイナ:857/HK)が2.9%安、中堅行の招商銀行(3968/HK)が2.7%安と下げが目立った。石油関連については、原油安が逆風。4日のWTI原油先物は1.6%安で3日続落し、その後の時間外取引では、約9カ月ぶりの安値を一時付けている。
中国の銀行セクターもさえない。上記した招商銀行のほか、中国銀行(3988/HK)と中国郵政貯蓄銀行(1658/HK)がそろって1.2%安、中国農業銀行(1288/HK)と交通銀行(3328/HK)がそろって1.1%安で引けた。
海上輸送やコンテナリース・生産など海運関連も安い。中遠海運HD(1919/HK)が3.1%、東方海外(316/HK)が1.3%、中国国際海運集装箱(2039/HK)が2.4%、勝獅貨櫃(716/HK)が1.5%ずつ下落した。
半面、香港・本土の不動産セクターはしっかり。領展房地産投資信託基金(823/HK)が3.6%、恒基兆業地産(12/HK)が2.4%、九龍倉置業地産投資(1997/HK)が2.1%、万科企業(2202/HK)が2.5%、合景泰富地産HD(1813/HK)が2.1%、世茂集団HD(813/HK)が1.6%ずつ上昇した。
一方、本土マーケットは4日ぶりに小反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.14%高の2788.31ポイントで取引を終了した。不動産株が高い。消費関連株、医薬株、保険・証券株、インフラ関連株の一角も買われた。半面、エネルギー株は安い。素材株、公益株、銀行株も売られた。
なお、香港天文台は5日午前11時45分(現地時間、以下同)、台風11号(ヤギ)の接近を受け、同日午後6時20分に台風警報を「シグナル8」に引き上げると予告。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)