週明け9日の香港マーケットは、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比247.34ポイント(1.42%)安の17196.96ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が102.63ポイント(1.68%)安の6002.91ポイントと5日続落した(ハンセン指数は約3週ぶり安値)。売買代金は1336億6460万香港ドルに拡大している(5日は849億5160万香港ドル)。
6日は台風警報により休場だった。
 投資家心理が悪化する流れ。米中で景気懸念が強まっている。6日公表された8月の米雇用統計では、(非農業部門の)雇用者数の伸びが予想に届かず、さらに6月と7月分が下方修正された。中国でも足元で発表された経済指標が概ね弱い内容となり、景気鈍化の警戒感が強まっている。寄り付き直後に公表された8月の中国物価統計は、消費者物価指数(CPI)の上昇率が前年同月比0.6%(市場予想は0.7%、前月は0.5%)、生産者物価指数(PPI)がマイナス1.8%(同マイナス1.5%、同マイナス0.8%)という結果だった。PPIが大幅に下振れる中、企業活動の縮小も懸念されている。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、石油グループ大手の中国石油天然気(ペトロチャイナ:857/HK)が6.2%安、江蘇省拠点の翰森製薬集団(3692/HK)が6.0%安、コンテナ海運大手の東方海外(316/HK)が5.8%安と下げが目立った。
 セクター別では、石油や非鉄の資源関連が安い。上記したペトロチャイナのほか、中国石油化工(386/HK)が5.6%、中国海洋石油(883/HK)が3.8%、江西銅業(358/HK)が3.6%、中国宏橋集団(1378/HK)が2.6%ずつ下落した。商品市況安が逆風。6日のWTI原油先物は2.1%安で5日続落し、一時、昨年6月以来の安値を付けている。
ロンドン金属取引所(LME)では、主要産品の先物価格が軟調に推移した。
 中国不動産セクターも急落。世茂集団HD(813/HK)が7.7%安、旭輝HD(884/HK)が6.3%安、雅居楽集団HD(3383/HK)が4.8%安、万科企業(2202/HK)が3.4%安で取引を終えた。万科企業については、8月の不動産販売が前年同月比2割減と低迷したことも売り材料視されている。
 半面、医薬品開発受託機関(CRO)など創薬支援関連は高い。来凱医薬(2105/HK)が5.2%、康龍化成(北京)新薬技術(3759/HK)が4.4%、無錫薬明康徳新薬開発(2359/HK)が3.9%、薬明生物技術(2269/HK)が2.5%ずつ上昇した。
 一方、本土マーケットは続落。主要指標の上海総合指数は、前営業日比1.06%安の2736.49ポイントで取引を終了した。資源株が安い。消費関連株、金融株、ハイテク株、インフラ関連株、運輸株、公益株、不動産株なども売られた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)
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