11日の中国本土マーケットは、主要指標の上海総合指数が前日比22.40ポイント(0.82%)安の2721.80ポイントと反落した。2月5日以来、約7カ月ぶりの安値水準を切り下げている。

 中国経済の先行き不安が改めて意識される流れ。これまでに公表された物価や貿易などの統計は、デフレや企業活動縮小、内需不振などが懸念される内容だとなっている。週末に公表される8月の各種統計(14日に8月の小売売上高や鉱工業生産など、15日までに金融)の内容も気がかりだ。西側諸国の対中圧力が続いていることも不安材料。米政府と中国のバイオテクノロジー企業との取引を制限する「バイオセキュア法案」の米下院可決(今後、上院に送付)に続き、中国製ドローンの米国内利用を禁止する法案も10日までに可決した。そのほか、カナダのフリーランド副首相は10日の記者会見で、中国から輸入する電池、半導体、太陽光製品、鉱物などに追加関税を課すことを検討していると述べている。(亜州リサーチ編集部)
 業種別では、石油・石炭の下げが目立つ。中国石油化工(600028/SH)が3.1%安、中国海洋石油(600938/SH)が2.0%安、中国石油天然気(601857/SH)が1.9%安、陝西煤業(601225/SH)が2.7%安、中国神華能源(601088/SH)が2.0%安で引けた。原油安が逆風。昨夜のWTI原油先物は4.3%安と急反落し、約1年4カ月ぶりの安値にまで落ち込んだ。
 発電株も安い。中国核能電力(601985/SH)が5.2%、国電電力発展(600795/SH)が3.8%、大唐国際発電(601991/SH)が3.6%、華能国際電力(600011/SH)が3.2%ずつ下落した。

 銀行株もさえない。中国銀行(601988/SH)が3.5%安、中国農業銀行(601288/SH)と交通銀行(601328/SH)がそろって3.0%安、中国郵政儲蓄銀行(601658/SH)が2.8%安、中国工商銀行(601398/SH)が2.3%安で取引を終えた。運輸株、通信株、メディア関連株、非鉄株なども売られている。
 半面、医薬株はしっかり。無錫薬明康徳新薬開発(603259/SH)が3.4%、浙江医薬(600216/SH)が3.1%、健民薬業集団(600976/SH)が2.6%、人福医薬集団(600079/SH)が1.3%ずつ上昇した。無錫薬明康徳新薬開発は10日、A株の自社株買い計画を発表し好感されている。前日は米国の圧力を警戒し逆行安していた。そのほか、消費関連株、証券株も買われている。
 外貨建てB株相場は、上海B株指数が0.94ポイント(0.41%)安の228.49ポイント、深センB株指数が15.23ポイント(1.44%)安の1040.51ポイントで終了した。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)
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