世界最大のIT製造基地、東莞がかつてない苦境に

21世紀の中国を見極めるセンス(24)-藤村幸義(拓殖大学教授)

 中国における外資導入のメッカ、広東省の東莞がサブプライム問題や人民元高などの影響をまともに受け、かつてない苦境に立たされている。ことし上半期の外資導入受け入れ額は、1979年の改革開放以来、初めてのマイナスを記録した。工場閉鎖や工場移転に追い込まれる外資系企業も急増している。

 東莞は「東莞から深センへの高速道路が渋滞すれば、世界のコンピュータ産品の70%が品不足になる」とも言われ、世界最大のIT産品の製造基地として知られてきた。東莞市対外貿易経済合作局によると、過去20年間のGDP成長率は平均20%を上回る発展ぶりだった。これまでに進出した外資系企業は香港、台湾、日本などを中心に合計1万5400社に達している。外資導入額は2007年まで一貫して増え続け、同年も契約ベースで62.5億ドル、実質ベースで50.4億ドルと高水準を維持していた。中国の改革開放政策で、最も恩恵を受けてきた都市と言うことができる。

◆米国への輸出、受注がほぼ半減

 その代表的な都市に異変が生じている。変調の兆しは昨年後半から見え始めていたが、一気に悪化したのは今年に入ってからである。サブプライム問題や人民元高、さらには原材料の高騰、人件費のアップなどが重なって、輸出企業の採算が急速に悪化してしまった。中国政府が進めている増値税還付の引き下げ政策も、結果的にはタイミングが悪かった。今年上半期に入って海外からの受注は軒並み減っており、欧州や日本からは約10%の減少、米国に至ってはほぼ半減の状態になっているという。

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