「木匠」を知ってますか? 漢字・漢語あれこれ(30)

日本語と中国語(150)-上野惠司(日本中国語検定協会理事)

 「使い分けについて考えているが、出口が見えない」と前回記した「師」と「士」だが、中国語の場合はかなりはっきりしている。

 日本語の医師が中国語では「医師」と「医士」に区別されることは、何回か前に書いた。同様の区別は看護師や薬剤師にもあり、それぞれ「護師」と「護士」、「薬師」と「薬士」に分かれる。「護師」は看護師、「護士」は准看護師といったところだろうか。だとしても医師や薬剤師の方は、日本の場合、准はないようだから、訳し分けようがない。

 いずれにしても、中国語の場合は「師」が上位の、「士」が下位の資格であると考えてよさそうだ。

 念のために『現代漢語詞典』に当たってみたところ、「師」は「掌握専門学術或技術的人」(専門的な学術あるいは技術を身に付けている人)とあり、「工程師」「技師」「医師」が例語として出ている。一方の「士」は、単に「指某些技術人員」(ある種の技術者を指す)とのみあって、例語には「医士」「護士」「技士」「助産士」が挙がっている。

 いずれにしても、日本語とは違って、「士」だけではなく「師」の方も資格を表していることがわかる。

 したがって、熟練を要する職業であっても、猟師や漁師など資格を必要としないものについては「師」を用いない。猟師は「猟人」、漁師は「漁夫」。

 さぎ師・ペテン師も、もちろん「師」の仲間に加えてはもらえない。こちらは「騙子」または「騙子手」。「騙子」はピエンツと発音する。ペテン師のペテンは中国語からきているとされているようだが、或いはこの「騙」の字とのつながりがあるかもしれない。『大言海』は弓ヘンに并というめったに見かけない字を引いており、『広辞苑』や『大辞林』もそれを踏襲しているが、この字をペテンの意味に使った中国語の用例が見つからないので、にわかには従いがたい。

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