3月4日、フランスのテレビ局で放送された「アジア料理に恐怖を感じる必要はあるか?」と題する番組で、中華料理について「非常に不衛生」であると表現したとして、フランス在住の中国人・華人が憤りを示している。

 同番組は1年前の3月19日にも、現地の中華料理に対する衛生調査を行い、中華レストランのテイクアウト料理の80%が衛生基準を満たしていなかったと報じており、今回の放送終了後、パリの中華レストランでは客足が離れるなどの影響が現れている。


 パリ在住の中国人の多くは「テレビ番組によって中華料理のイメージは大きく損なわれた」とし、経済危機と相まって「泣きっ面に蜂」であると語った。

 これに対し、フランスの飲食業団体であるアジア飲食業連合会は、「2009年時の報道によって損害を受けた中華料理のイメージを回復させるため、われわれは努力を続けてきた。しかし、調査や検査も行われないまま、1年後に再び同じ打撃を被った」とし、従事する者の衛生意識と法律順守意識を高めるとともに、フランスの公的な各種検査を積極的に受けていくとのコメントを発表した。

 その一方で、フランスの華人団体はフランスメディアに対して抗議の文書を提出したほか、謝罪を要求するため、パリ市内でデモ活動を行う可能性もあると発表。また、アジア飲食業連合会の副会長はインタビューに対し、「フランス在住の中国人の多くは、中華レストランで働くことで生計を立てている。フランスメディアの公正さを欠く差別的な振る舞いに対し、中国人・華人は団結し、最後まで戦い抜く」と述べた。
(編集担当:畠山栄)

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