論文発表数は世界一、被引用回数は100位以下の「圏外」=中国

 中国における科学論文の発表数は世界第1位。しかし、他の論文に引用される被引用回数は、世界第100位にも達しない「圏外」という状態が続いている。数は多いが「質」は評価されていないということだ。北京大学の饒毅教授は、研究者の目的が論文を有名雑誌に掲載することになっていると批判した。これまでに、中国人研究者が海外の専門誌で発表した大量の論文が盗作や捏造(ねつぞう)と判明した事件も、しばしば発生している。中国新聞社が報じた。

 饒教授の専攻は神経科学。2004年までは米国で研究活動をした。米国でも実績が評価された研究者だ。

 饒教授は、中国で発表する論文が極めて多いことについて「どんな鉄砲でも、数多く撃てば、的(まと)に当ることがある」と、数の多さ自体については肯定した上で「問題は、何を狙っていることだ」と指摘。研究者の目的は、科学的探究のはずだが、饒教授によると、中国人研究者には、目的が論文を有名雑誌に掲載して「戦勝報告」することになっていると批判した。

 饒教授は論文の盗作や捏造問題には直接触れなかったが、研究者の意識から「科学の探求」が抜け落ち、「雑誌掲載」だけを求めるようになれば、論文の「パクリ」や「偽物」も増加することになる。

 饒教授は、中国人研究者が「論文の数」を求めすぎることも批判。内容よりも発表件数に重きを置く風潮があるという。自分自身は2009年以降、論文を発表していないことは「仕事が遅すぎると批判されても仕方ない」と認めつつ、「実験室の活動が停止しているわけではない。その他の研究者も含め、積極的に活動している。皆が自分の頭脳を使っている。私の提案を学生がそのまま受け入れたところ、一同が驚いたぐらいだ」と述べた。(編集担当:如月隼人)

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