広西チワン族自治区南寧市の李寧体育園近くの集合住宅内で8月中旬から、ムカデが寝室などに侵入し、住民がかまれるなどの被害が相次いでいることが分かった。同集合住宅にはムカデを飼育する業者が入居しており、ムカデが逃げたと考えている住人が多い。
飼育業者は「ムカデが逃げたはずがない。暑くなったので、野生のムカデが出たのだろう」と説明した。中国新聞社が報じた

 ムカデは、生薬の原料として販売するために飼育している。業者は集合住宅の2、4、5階の複数の部屋を借りて、飼育部屋にしている。

 ムカデが出たのは、いずれも夜という。住人女性によると、寝ていた10歳の娘が突然大声を上げた。
電灯を漬けると、10センチメートルはある黒いムカデがベッドの上をすばやく逃げていった。

 別の住人も、寝ていたところ腰に痛みを感じたので電灯をつけたところ、長さ約10センチメートルのムカデが枕の下にもぐりこむのが見えたという。同住人によると「今でも寝る前には、懐中電灯を使ってベッドの下などをよく確認する。ムカデがいることもあり、急いでたたきつぶす。そうでもしないと、怖くてベッドを使えない」という。

 その他にもムカデにかまれた人は多い。
痛みがやわらぐのは数日後で、「孫がかまれた。ひどく痛がるので、見ていられなかった」と語る住人もいる。かまれた跡は、2週間以上たっても消えないという。

 ムカデを飼育する業者が入居したのは3カ月ほど前で、同住宅に長年住んでいた人も「それまでは、ムカデにかまれたことはない」と説明。ムカデが出没しはじめたのは、今年(2011年)8月以降という。住人らは、飼育場からムカデが“脱獄”したと考えている。


 業者によると、室内に「養殖場」を作っているが、周囲は高さ50センチメートルのガラスで囲ってあり、ムカデが逃げ出す可能性はないという。業者は「気温が高くなって野生のムカデの活動が活発になり、部屋に入って人をかんだのだろう」、「ムカデは高値で売れるんだよ。逃げるようなことをするわけがないだろう」などと話した。

 同業者は、ムカデにかまれたと訴える人には、軟こうを渡してきた。「逃げたムカデによる被害と認めたのではないか」との質問には「ご近所ですから、助け合うのは当然のことでしょう」と回答した。(編集担当:如月隼人)

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