それに加え、鳴り物入りの公共投資を大々的に行うことで富の増量を図った結果が世界第2位の経済大国です。しかし、こうした輝くような時代はいまや過去のものとなりました。
まず輸出ですが、欧米諸国が中国の工業製品をかつてのように大量に買ってくれなくなりました。彼らの経済が変調を来したからです。リーマンショックやギリシアショック以降、外需に依存した経済成長に限界が来たということです。
投資も転換期を迎えています。ずさんな投資が多くなっています。高速道路や鉄道、飛行場など無駄な投資が最近目立つようになりました。借金してこうした公共事業を行ってきた地方政府は借りた金の返済に苦しんでいます。
以前と比べ投資効率が著しく低下していることも投資依存の政策に限界が来たことを示しています。公共事業はまた、役人の腐敗の温床でもあります。
当初の予算が100%事業に使われるとは限りません。途中でお金の一部が“蒸発”して役人の掌中に落ちる。最近では地方政府の資金源となってきた影の銀行問題が明らかとなり、公共事業の不透明性が明らかになっています。
なぜ地方の役人は公共事業に手を染めるのか。それは、公共事業をやれば手っ取り早く経済成長できる。それによって自身の出世をもぎ取ることが出来るし、自分の懐にカネが入ります。まさに公共事業は「打ち出の小槌」と言ってもよいでしょう。