東京大学教授で米ウィスコンシン大学マディソン校の河岡義裕教授はこのほど、H1N1型インフルエンザウイルスを改変することで、ヒトの免疫システムを回避することができるウイルスの作製に成功した。香港メディアの文匯報は3日、「人類は同ウイルスに抵抗力を持たないため、外部に流出すれば極めて深刻な事態が起きる」と警戒感を示した。


 記事は英紙インディペンデントの報道を引用し、「河岡教授は、ウイルスが免疫システムを回避するうえでの重要な情報の特定に成功した」、「人類の抗体の影響を受けないウイルス株の選別と培養によって、人類が抵抗力を持たない“スーパーH1N1型ウイルス”を開発した」などと伝えた。

 さらに河岡教授の研究はウィスコンシン大学マディソン校の承認を得たことを紹介しつつも、「同校の生物安全委員会」は河岡教授が提出した資料が「詳細ではない」として「一定の懸念を示している」と報じた。

 また、同校側が「ウイルスが外部に流出するリスクはない」と強調していることを伝える一方で、過去に米疾病予防管理センター(CDC)で職員が炭疽菌に接触する事故が起きたことを指摘、「河岡教授の研究所の安全措置が十分かどうか懸念が残る」と論じた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)


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