2013年に結成30周年を迎えたロックバンド「THE GOOD-BYE(ザ・グッバイ)」が、31周年目に突入した14年11月にライブツアーを行った。タイトルは「30th ANNIVERSARY LIVE ENCORE TOUR」。
1年前の記念ライブを大成功に終えての、アンコール公演が実現したのだ。

 名古屋ボトムライン、大阪なんばHatchを廻り、ツアーファイナルを飾った会場は東京国際フォーラム。メンバーの野村義男・曾我泰久・衛藤浩一のシルエットがステージに浮かび上がると大歓声が沸き起こり、満員の観客が一斉に立ち上がった。

 オープニング曲は「祭り気分でTAKE A CHANCE」。曾我のギターソロが会場に響き渡って、ライブがスタートした。「オープニングにぴったり!」という、曾我と野村の思いが一致した選曲だったそうだ。


 モータウン系サウンドがベースになっている「LET’S GET TOGETHER」、ザ・グッバイ名義で初めて世に出した「DanceX3」と軽やかなナンバーが続き、場内は一気に華やかでポップなザ・グッバイワールドへ。なつかしい曲ながらも、結成から四半世紀を超えた“今のザ・グッバイ”が奏でて歌うカッコいいサウンドが広がった。

 今回のライブについて特筆すべきは、2つのサプライズが用意されていたこと。1つ目は、ファンの予想を裏切るかのようなセットリストだ。昨年のライブでは演奏しなかった曲を中心に選んだそうで、「摩訶WHO SEE議」、「Misty Night」、「僕らの祈り」、「やさしく溶かしてDon’t You Know」ほか、シングルではない曲が多く聞けた。ステージ演奏がめずらしい曲もあり、貴重な機会だったと言えるだろう。


 そして2つ目は新曲発表! ザ・グッバイとして曲を完成させたのは実に24年ぶり、というビッグニュースだった。曲調も世界観も異なる3曲を、このバンドの前期・中期・後期がイメージできると表現して披露。前期を連想させる曲「だからやめないで」は、オールディーズ風のなじみやすいロックナンバー。

 ロック色がより濃くなった「I Can Be」は中期テイストで、「アカン」という歌詞が耳に残る曲。作詞を担当した野村は「イギリス人がI Canをアカンと発音する」のを印象深く記憶しているらしく、そのフレーズを使いたかったようだ。さわやかなミディアムテンポの「LOVE」は野村がエレキギター、曾我がアコースティックギターというスタイルで演奏した。


 愛をテーマに人生を歌ったこの「LOVE」という曲は、ザ・グッバイの後期的なポジションにあるそうだ。曾我は「現在のザ・グッバイを正面から見て曲にしたい」と、メロディを思い描いたという。ライブツアーに間に合わせた出来たての3曲だったが、“さすがザ・グッバイ”と思わせる歌詞とメロディで、演奏後の拍手喝采はしばらく止まらなかった。〔後編に続く〕(取材・文責:饒波貴子)(写真は「イクセルエンターテイメント」提供)


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