昨今中国国内では、日本のランドセル購入熱が高まっている。一方で、「中国の国情には合わない。
盲目的な購入はやめるべき」との批判もある。中国メディア・中国青年報は2日、中国の消費者が日本のランドセルに食指を伸ばす背景に、中国製の学用品に「有害性」があると指摘する記事を掲載した。

 記事は、8月31日に江蘇省が発表した文房具製品の品質分析報告で、筆記具、消しゴム、修正液などから可塑剤、有機溶剤に加えて「女性ホルモンに似た作用を持つとの説があるフタル酸エステルも検出された」という新華社の9月1日付報道を紹介。国が文具中のフタル酸エステルなどについて強制的な基準を出していないことから、文具が「合法的な有毒」状態になっているとした。

 そのうえで、業者がお金儲けすることは決して間違いではないが、児童や生徒の健康を顧みずに劣悪な製品を生産するのは「道徳の血液がちっともないのだ」と批判した。一方で、日本のランドセルブームについて「想起を禁じ得ない」として言及。
ブームを「盲目的な追っかけ」、「中国では役に立たない」とする声があるとする一方で、ランドセルには「人にやさしい設計が多く盛り込まれていることを提起せざるを得ない」と論じた。

 そして、企業は「児童を大切にするという理念を実際の経営で実現したうえで利益を出すべき」であり、「良い商品」は「競争に劣勢に立たされる、ほとんどボランティアのようなもの」ではなく、すべてにおいて手厚いリターンをもたらしてくれるものであることを認識する必要性があると説いた。

 記事はさらに、文具の「有毒」問題とランドセルブームによって、企業以上に関係当局が触発されるべきであると指摘。「国内の保護者による『盲目的な追っかけ』を批判するなかで、『子どもに安全な文具を』という保護者たちの渇望を感じているのだろうか」と疑問を投げかけた。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)


【関連記事】
中国製品「そっぽ向かれる」!?・・・ドイツの展示会で実感
日本の「ランドセル」が大人気!・・・中国人はその理由を学ぶべき
中国人の頭から草が生えてきた!?
日本製品には「人への優しさ」・・・嫉妬するほど羨ましい
日本の「ランドセル」・・・なぜ世界中で人気なのか