アドミラル・クズネツォフはロシアが保有する唯一の空母だ。
同艦が搭載する戦闘機は、「Su-27」を艦上戦闘機用に改造した「Su-33」だ。しかし機体の老朽・旧式化などで更新が必要になった。
新浪網記事はまず、「Su-33」の生産ラインはすでに廃棄と指摘。ロシアが必要とする艦上戦闘機は24機にすぎないので、ライン再開は経済的に不合理と論じた。
ロシアはすでに、インド軍の求めに応じ「MiG-29K」艦上戦闘機を開発している。同機については45機の代金12億ドル(約1430億円)に加えて、開発費7億3000万ドル(約874億円)をインド側が支払う条件で、ロシアと契約した。
記事は、MiG-29Kは旧型機のSu-33より劣ると指摘。電子装備は刷新されたが、航続距離の2000キロメートルはSu-33の3000キロメートルより後退。さらに、搭載可能な燃料と武器の合計は5.5トンで、Su-33の6.5トンより少ないと評した。
攻撃のために目標により接近せねばならず、攻撃の威力も十分でなければ、相手の反撃のチャンスが増大することになる。
記事は続けて、中国が“開発”したJ-15について「『WS-10A(渦扇-10A)』エンジンを2基搭載し、航続距離は3500キロメートル」、「アクティブ・フェーズドアレイ・レーダーを備え、操縦を制御するソフトウェアも進化」などと紹介し、性能はSu-33より上と主張。
さらに、中国は現有の「遼寧」以外に、さらに空母を建造するとして、J-15はコストダウンできるはずとの見方を示した。
記事は最後の部分で、艦上戦闘機を中国とロシアが共同開発する方法もあるとした。実現すれば、中国はロシアの高い技術を学ぶことができると主張し、ロシアが受けいれるのは難しいとした上で、「学生に教えることのできる教師が飢えることはなくなる」との表現で、ロシアには資金不足の問題を低減できるとの見方を示した。
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◆解説◆
J-15は、中国がSu-27を、開発側であるロシアに無断で改良した「J-11B」を艦上戦闘機用にさらに改良した機体。
ロシアは現在のところ、MiG-29Kを艦上戦闘機として採用し、合わせて寿命延長と導入技術更新の改修したSu-33を2025年まで使う方針とされる。(編集担当:如月隼人)(写真は新浪網の21日付報道の画面キャプチャ)
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